感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chiaki
41
デンマークのおはなし。靄が沼地を漂う風景、見てみたいなぁ。デンマークのひとたちは、この風景に「ぬまばばさまがお酒を作っている」と言うそうで。夏の夕暮れ時から、このお酒づくりは始まるのだとか。その材料には、夕やけの紅や月明かりなど素敵なものもありますが、なめくじの皮とかハタネズミの鼻息とか、思わずのけぞっちゃうようなものも!笑 長い長い冬のせいか、あたたかい春を待ちわびる気持ちあふれる北欧ならではなおはなし。春の訪れへの喜びに満ちあふれています。ぬまむすめたちがとってもフェアリーで可愛い♡2021/11/16
アナクマ
33
春を喜び、春の始まりをうながすために自家消費する祝い酒を、真夏の夜に仕込むばばさま一家たち。その不思議な生態やレシピの細部が読みどころ。◉お酒の材料を集めて、酒樽をつくり、切り株の釜に、おにびこぞうの加熱で湯気発生(夏の沼地の靄はこれ)。漉して寝かせて冬を越し、開栓したらパーティー。酔った娘たちのひと吹きで、枯れ枝に若葉、カワウソに子供が。息子たちの耳からは蝶が。◉土地の自然と文化が見えてくる、デンマーク農村の歳時記。絵は慣れるとかわいい。2019/05/24
ヒラP@ehon.gohon
31
お酒の原料を知ってしまうとちょっとひいてしまうのですが、春を喜ぶためのお酒作りのお話です。 デンマークのお話だそうですが、沼にはぬまばあさまをはじめ、多くの不思議な一族が暮らしているのでしょうか。 読者を選びそうな絵本ではあります。2021/04/12
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
19
デンマークのおはなし。真夏の風のない夜、たちあがってくるしろいもやは「ぬまばばさまが おさけを つくっているんだよ」と言われるそうです。夏の間のお酒造りはぬまばばさまの家族総出の仕事、ゆっくり寝かせて春を迎える頃お祝いのパーティが開かれます。デンマークは湿地が多いのでしょうか?白い霧を例えているおはなしが楽しく、インパクト大の絵でした。2020/06/18
リッツ
18
不気味だけどユーモラスで愛らしい、ぬまばばさま一家。なつの酒づくり、冬の眠り、春の踊り、人々はそこに沼地の季節を見る。影の漂う怪しい雰囲気、不思議な魅力のある本、私が学生の時に買った本だけど、子供の時に出会いたかったなと思った。2014/06/18