出版社内容情報
貧しい粉屋が死んだとき、息子に残されたのはネコ1匹だけ。ところがこのネコは……。有名なペローの昔話を、フィッシャーは繊細な線と美しい色彩で見事な絵本につくりあげました。
<読んであげるなら>5・6才から
<自分で読むなら>小学低学年から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
346
文と絵はともにハンス・フィッシャー。矢川澄子の訳。もちろん、お話はシャルル・ペローの原話に基づく。違いは、2ヵ所ほど「うちあけばなし」が挿入されていることくらい。3人兄弟の3男が成功するという典型(他にも『3匹のコブタ』などいくつもの例が)。絵はクレパスで線を描きなぐったような独特のタッチ。これなら子どもでも描けそうだと錯覚しそうな、しかしなかなかそうはいかない曲者めいたもの。パウル・クレーに師事したとのことだが、たしかにそんな感じがしないでもない。この絵が好きかと言われれば、もろ手を挙げて好きとは⇒2023/06/26
tototousenn@超多忙につき、読書冬眠中。
99
☆5.0 今更で恥ずかしいのだが 『長ぐつをはいたねこ』を読むのは初めて。 ハンス フィッシャーの絵に釣られて読んでみることにした。 『長ぐつをはいたねこ』って、こんなお話だったのか。 ハンス フィッシャーのイラストが素敵。 物語の内容は言わずもがなですよね。 読メのみなさんには。 よって省略させていただきます。2021/03/30
☆よいこ
80
絵本。読み聞かせ12分。粉屋の三男は遺産にネコいっぴきしかもらえなかった。焼き肉にして残った皮で帽子でも作ろうかと思ったら、このネコは人の話が分かるネコだった。「わたしに長ぐつを1そく、あつらえてください。それから、ふくろをひとつ。ひもで口をしめられるやつをね」ネコはせっせと王様に贈り物をする。粉屋の息子を「カラバ伯爵」と呼び、幸運をもたらす▽中学3年生への読み聞かせに何がいいかと相談されたので出す。ドラマチックがいいよね2023/05/11
KAZOO
74
普通「長靴をはいた猫」というとシャルル・ペローを思い出すのですが、この作者は絵も含めてハンス・フィッシャーという人です。非常に絵が素晴らしく私は気に入りました。黄土色と黒を基調にした絵でこの猫のポーズなどが面白く笑ってしまいます。まったく人間を戯画化したような気がしました。2015/04/15
Willie the Wildcat
59
先代へのご恩返し、かな。大望の下、健気に尽くし、時を待つ。人の心を掴む。怖い顔や”ねずみ”はご愛嬌(?)。長靴はお洒落だし、姿勢が良くなるからかなぁ・・・。(笑)絵はスケッチ風。ねこの表情が秀悦。夜に踊る・歌うねこを描いた最後のページが幻想的。主人を想う優しさが滲む。蛇足だが、昔観たアニメでは、お洒落な帽子や服も着ていたような記憶が・・・。2013/09/22