出版社内容情報
ジオジオはライオンの王様です。でも、ひとりぼっちでした。そこへ……。年老いたライオンと小鳥との心の交流を、やさしく語りかける文章と、明るい色彩の絵で描いた絵本です。
<読んであげるなら>3才から
<自分で読むなら>小学低学年から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
344
岸田衿子・作、中谷千代子・絵。お話と絵は別の人が担当しているのだが、二人の息はぴったりとあっている。ページ数も少なく、お話はシンプル年老いた孤独なライオンのジオジオと、とりの暖かい交流を描く。絵はキャンバスに水で薄めない水彩絵の具を用いて描いたものと思われる。タッチは、子どもの絵日記にありそうな絵を、プロフェッショナルな技術を表に出さずに描いたもの。実は高度なテクニックは、ライオンの孤独な表情などにさりげなく忍ばせている。2024/01/07
Willie the Wildcat
109
人生の紆余曲折と、本当に大切なものが何か、を感じさせてくれる。次男は冠の雛達に大喜びだった。同時に、「冠って、歩いたりしていて落ちることないのかなぁ・・・?」と自問自答していた。(笑)百獣の王としての孤独。その孤独が故に出会った友達。長い人生、1人では生きていけないし、目を閉じて静かにすることで感じることもある。その”目”の描写が心情の変化を表す。最後はとても穏やか。2012/09/07
seacalf
95
表紙のジオジオの面構えが気に入った。ライオンの中でもいちばん強かったジオジオだが、寄る年波には勝てず白髪が出てきて目を見えなくなってきた。もう動物を追いかけるのも嫌になって誰かと話したくなってきた時、はいいろの鳥と出会って・・・。優しいお話なので、将来読み聞かせに使ってみたい絵本。2023/12/14
喪中の寺ちゃん
92
たまたま職場にこの本があったので、休憩中に拝見。シンプルな絵柄の優しい絵本。【以下ネタバレ】老いたライオンの王様・ジオジオ。彼は孤独を感じていた。王冠を被っているのだが、その光を見ると森の動物達は恐れて逃げる。ジオジオは誰かと話がしたかった。そこへ来た一羽の鳥。卵を産んでも、他の動物達に奪われたりする事をジオジオにうちあけた。ならばワシの王冠の中で産卵してはどうだ?というジオジオのナイスな提案。冠の中で育つ雛達。老いて目も見え辛いジオジオの孤独を癒した。品が良くて味わい深い絵本だ。お勧めします。2015/07/27
momogaga
76
【大人こそ絵本を】ジオジオの晩年は、本当に輝いていますね。なぜなら、強いだけでなく、優しさも兼ね備えていますから。2016/03/04