出版社内容情報
ぼくが森へいくと、動物たちがあつまって、自分の得意なことをして腕くらべをしようとしていました。そこで、ぼくも仲間に加わって……。楽しいファンタジーの世界が広がります。
<読んであげるなら>2才から
<自分で読むなら>小学低学年から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
345
文も絵もマリー・ホール・エッツ。『もりのなか』のいわば続編。今回も「ぼく」とどうぶつたちとの森のなかでの交歓が描かれる。最後は、これが幻想譚であるような、そうではないような終わり方。上手いなと思う。絵はいつものモノクロームの木版画。どうぶつたちの姿形は基本的にはリアルなのだが、動きは擬人的に描かれる。そのギャップもなかなかに面白い。なお、ラストシーンで帰ってゆく父と子をネズミとヘビが見送っているのは絶妙。なんだか寂しいような気持になるが。2024/02/27
やすらぎ
182
なんだか不思議な夢を見たんだ。森が騒がしいから見に行ったら、大きな切り株に大きなゾウが腰かけて、その周りに沢山の動物が集まっていて。みんなそれぞれの腕自慢をしてて。カバなんてスイカを丸ごと飲み込んだし、ライオンが大声をあげたら木の葉が揺れて落ちてくるし。キリンの頭は絵本から飛び出ちゃうし、ゾウなんて逆立ちしちゃって、ぼくも真似してやってみたの。そうしたら笑いがとまらなくなっちゃって。みんなも楽しくなっちゃって、そこから森を大行進さ!パパ、夢だったのかな?素敵な体験だっだね。お父さんも一緒に笑いたかったな。2021/05/23
のっち♬
120
賑やかな声に誘われる形で"またもりへ"やってきたぼく。今回は「じぶんのとくいなことをやって、だれのがいちばんいいか、うでくらべをしよう」という企画。動物たちが次々特技を披露する様を見つめる周囲それぞれの表情や仕草が毎ページ細やかに描き分けられ、今作もまた版画絵の次元を超えた精彩を放っている。こんなに表情豊かでも人間だけが笑うことが出来るという逆説的なテーマだったりする。笑う者こそが"いちばん"なのだ。そんな子どもの天真爛漫な笑顔に、大人視点からのほろ苦い憧憬で閉める点がノスタルジーの核心なのかもしれない。2024/01/25
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
113
わいわいがやがやいう声につられて、森に入っていった男の子。すると、動物たちがかくし芸大会を行っていました。モノトーンの素朴な絵に癒やされますが、奇想天外なお話ですね。しかも、森の動物たちというのはゾウやキリンにライオン……絶対いないでしょ!(笑) 動物たちに求められて、男の子も得意技を披露します。人間にしかできない技に、動物たちは感嘆するのでした。アメリカでは1953 年に『もりのなか』の続編として出版。日本では1969年3月初版。2015/06/21
ケイ
91
いいお話だけど、前作のように、だんだん仲間が増えていくようなワクワク感には欠けるかな。うさぎは探したのに見つからないのが少しさみしい。最後にはやっぱりお父さんが迎えに来る。お父さんとの会話がじーんとしていい。ちなみに原題は、「another day」。「またもりへ」とは少し違う気もする。2014/07/24