出版社内容情報
フランスの一寸法師ロワトレ君が木靴の舟に乗って大冒険。アヒルと旅をし巨人に追われ、王女さまとのロマンスも……。(S-21)
<読んであげるなら>---
<自分で読むなら>小学中学年から
内容説明
表題作では、フランスの一寸法師ロワトレ君が、木靴の舟で大冒険。アヒルと旅をし、巨人に追われ、王女様とのロマンスも…。他に、隣人を食べることばかり考えていた魚の改心と天国行きを描く「大きくなった小さな魚」、個性的な登場人物がすてきなドタバタをくり広げる「『なめくじ』の話」を収録。小学校中級以上。
著者等紹介
ショヴォー,レオポルド[ショヴォー,レオポルド][Chauveau,L´eopold]
1870年、リヨンに生まれ、のちパリに出て医師となる。アルジェリアでの農場経営、軍医などの経歴をへて、第一次世界大戦後は創作活動に専念。多数の小説を発表する一方、塑像や絵画も制作。1940年没
出口裕弘[デグチユウコウ]
1928年東京生まれ。1951年東京大学仏文科卒。1992年一橋大学教授定年退職
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
100
この本では、「大きくなった小さな魚」「いっすんぶしの話」「「なめくじ」の話」の三つの話が収められています。三つとも奇妙な話というかふしぎな感じを与えてくれます。さらにここにある絵がイメージを膨らませてくれます。私は表題作よりも最後の「なめくじ(といっても犬の名前ですが)」の話が一番印象に残りました。2024/04/03
めしいらず
55
ショヴォー氏とルノー君のお話集の第4弾。相変わらず予断を許さない行き当たりばったりな展開がとびきり愉しいのだけれど、これまでの3冊と比較すると、少しだけ大人しいかも。3話中のイチオシは『「なめくじ」の話』。いつものあっけらかんとした残虐性は影を潜め、これぞまさに大団円といった感じ。絵の魅力(特に首なし女♪)もこの話が一等。次が最終巻。読み終えるのがモッタイナイので、先延ばししようかな。2014/02/03
ヒラP@ehon.gohon
21
ゆったりとした間隔で綴られる文章と、挿し絵というには存在感のある絵が、どうにも距離感があってアンバランスな本です。 両方が同じ人間が作成しているというところに、作者のチャレンジを感じました。 不思議な短編集です。2021/01/10
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
15
フランス版いっすんぼうし(ロワトレ)はナンセンスの分野になるのかしら?一人ではなくアヒルと旅したり、鬼じゃなくて巨人だったり、日本のものとは違います。『 大きくなった小さな魚 / いっすんぼうしの話 / 「なめくじ」の話 』の3編。2021/03/04
きゅー
7
3篇が収録。「大きくなった小さな魚」では、魚が改心し菜食主義になり、とてつもなく大きくなる。なぜ菜食だと体が大きくなるのかとか疑問は出てくるけれど、ショヴォーの童話はそんな小さなことにこだわっていたら楽しめない。今作は珍しく良い話だが、むしろ良い話だからこそあまり面白みがないというのがなんともかんとも。ショヴォーに求めているのは暗い笑いなのだということを実感させられた一篇。「いっすんぼうしの話」も正統派のお伽話。子どもに読ませるんだったら、この巻からが一番毒が弱いのでいいかもしれない。2013/03/04