出版社内容情報
「自閉症」の子たちが暮らす閉鎖病棟の管理主義に、ひとりの保母がしなやかな勇気をもって立ち向かい、小さな“奇跡”の花を咲かせてゆきます。人と人とのつながりを深く問いかけます。
<読んであげるなら>---
<自分で読むなら>小学高学年から
内容説明
あなたが見せてくれる小さな奇跡。学校を出たばかりのひとりの保母が、閉鎖病棟で出会った女の子。美しい顔立ち、無垢であどけない表情、時にきらりと光る利発さ。けれどその子は、だれとも意思を通い合わせることがなかった…闘いの日々が始まる。魔法のような美しい瞬間を抱きしめながら。
目次
第1部 閉鎖病棟の九年間(出会う前;出会い;せとぎわからの反撃;二年めのたたかい;ぬかるみの中で)
第2部 ブナの森の通りゃんせ(再会;ブナの森への旅日記;広田萌音さんへ)
著者等紹介
日向佑子[ヒュウガユウコ]
1948年生まれ。保母資格を取得したのち、病院内の児童病棟に9年間勤務。その後、米国系資本の公認会計士事務所などで、数年間働く。退職後、立教大学法学部に入学・卒業、続いて州立デラウェアー大学大学院(政治学部)に進み、修士号取得後、国連機関の研究員として5年間勤務。現在は、翻訳・執筆に従事するかたわら、児童の生活相談員として不登校や子育ての問題にとりくみ、「自閉症」の人たちとも交流している
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感想・レビュー
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とりぴよ
2
再々読。著者が精神病院の児童病棟で保母の職に就いたのは、ちょうど私が生まれた年。閉鎖病棟の床と壁だけの病室。学校教育も受けられない当時の自閉症の子どもたちの扱われ方には胸が苦しくなる。十数年を経て、当時担当していた萌音ちゃんと再会し交流を深めていく。パニックを心配する母親を説得し、二人で一週間の旅行に出かけるが…。自閉症の人の見えない内面を何とか理解しようとする著者の姿勢、本人を尊重し信じること。これからも読み返したいので購入!(出版から10年。自閉症に関する記述に気になる点はあり。)2014/10/21
寝る子は育つ
0
過去に思ったことと過去を回顧して今思うことが交錯しているのかもしれないと思いつつ・・・ ただ、自閉症の子供たちがおかれていた環境を非常にわかりやすく描いて頂いているのは勉強になりました。2017/09/04
OcO
0
この人は保母もいいけど小説家目指した方がいいんじゃないかなぁ2009/05/08