出版社内容情報
水にうつったお月さまを訪ねて、月の使いの男の子が地球にやってきます。飛行機に会ったり鳥にかこまれたり、空からおりてくる男の子の冒険が、ぐんと縦長の絵本の中で展開します。
<読んであげるなら>3才から
<自分で読むなら>小学低学年から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
329
イブ・スパング・オルセン作。オルセンはコペンハーゲン生まれで、デンマークで幅広く活躍。国際アンデルセン賞も受賞。本書は、月から地上にぼうやが下りてくるお話で、それを活かす縦長変形絵本だ。お話はいたってシンプルなので、絵本の生命はもっぱら絵にあるだろう。ペン画の描線に彩色を施したもので、幾分か欧風コミックっぽいタッチで描かれる。空の高みからしだいに下降してゆく過程が見もの。途中には丸いもの探しの楽しみも付いている。なお、画中のデンマーク語"frugt grønt"は「フルーツ グリーン」のようだ。2024/03/22
KAZOO
143
縦長の本で内容を読んでみると一種のコミックのような感じもします。ページを開くと上から順に話が続いていきます。つきに頼まれて池に映ったつきを取ってきてほしいとぼうやが頼まれて、さまざまな冒険をしたのちに手鏡を取ってきて問題解決。何かとんち話のような感じも受けました。2016/10/29
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
117
「変わった形の本だなあ」が第一印象だったけど、内容によく合っていました。池に映った自分の姿をみて「友だちになりたい」と思ったお月さま。つきのぼうやに連れてくるよう命じます。さっそく空から元気よく駆け下りていきますが、先々で騒動を引き起こして……。明るいブルーがきれいな絵本。ナイスなオチもついています。世界傑作絵本シリーズ【デンマーク】篇。1975年10月初版。2015/09/05
mocha
110
お月さまが、水面に映った自分を見て「あのお月さまを連れて来なさい」とぼうやをお使いに出しました。途中いろいろなものに出会いながら、下へ下へと降りて行き…さて、もうひとりのお月さまを連れ帰ることができたでしょうか?しかけはないけど、細長い形にしかけ絵本のような楽しさがある本。2015/10/14
seacalf
99
王ヶ頭ホテルの本棚にあった絵本、2冊目。見ての通り細長くて、かなり目につくデザインの絵本。前後の見返し部分に描かれた絵がとても素敵でお気に入り。さて、おつきさまに頼まれ事をされたつきのぼうやはフットワークも軽くどんどん地上の世界へ。途中で星や雲や飛行機、鳥、凧に風船、むすめさんに煙突そうじの人、家の人や八百屋のおやじ、果ては魚達まで沢山の触れあいが描かれている。こういうの、子供は大好きだろうなあ。自分にも髪がつやつやになるつきのかけらを振りかけてほしいなあと本編に関係ないところが一番印象に残った。2019/06/22