内容説明
400年前、地震で海にしずんだと伝えられる九州、別府湾の島。「日本の昔話」に登場する伝説の島。16世紀に「Iapan」「Niphon」(日本)をおとずれたヨーロッパ人が上陸した島。にもかかわらず多くの歴史家はその実在を認めていない幻の島。それゆえに日本の歴史からは消えてしまった南蛮文化の島。この島は本当にあったのではないか?実際に海にしずんでしまった「日本のアトランチス」ではないのか?そう考えた地元の一歴史学者の呼びかけに応じて、地理学、土木工学、地球物理学、海洋生態学など、学問分野の違いを越え、科学者たちがあつまり、学際的調査が別府湾ではじまった。
目次
第1部 伝説(伝説の島;大事件の記録)
第2部 推理(港はどこにあったのか?;古い記録をしらべる)
第3部 現場(調査グループをつくる;海にもぐってしらべる)
第4部 「発見」(断そうの発見;なぜ島はしずんだか?)
感想・レビュー
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のん@絵本童話専門
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豊後の国の歴史を研究している作者が昔の文献(当時、日本を訪れていた外国人の記録も!)や、古くから暮らしている現地の人への聞き込みから、瓜生島が本当に昔あったことを突き止めていく。だいたいの位置の検討をつけた後はダイバー、地震研究者、地質学者、地理学者、歴史学者などいろんな専門家を集め、まずはダイバーと魚群探知機、つぎに音波探査機を使い、多くの断層を発見。この断層のところの説明は丁寧に読み込まないと理解が難しかったが、大きな沖縄トラフにより九州の陸地も常に南北に引っ張られていることを知る。→2024/02/25