内容説明
どんでぃん、どんでぃん、太鼓の声は鳴らひびいた。―わしはタランの湖の底、泥に埋もれし青い玉。わしをさがし、ひろいあげてまつれ。さすればやがて大地の水もひき、タランの村によき日がおとずれよう。その役は、愛するモコトルに命じられた。少年少女におくる、愛と甦りの神話的ファンタジー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mayuri(Toli)
4
ツンドラ地帯を舞台にした。漁師の息子の男と、彼のもとを訪れ妻になった不思議な美しい娘との、愛と蘇りの物語になっています。 とにかく、文章がツンドラ地帯の冬のように冴え冴えとしていて、読んでいてぐっと世界観に引き込まれます。 物語も、どちらかというと悲しみが覆っているのですが、その悲しみさえも美しくて、胸を突かれます。 そして。絵もいいですね。この絵が好きな方は、手にとって損はない作品だと思います。美しく、繊細な絵です。 2012/08/05
さきたまおおはし
1
とてもよかったです。心すませれば自ずと正しくものを見ることができること、罪を憎んで人を憎まずということ、他人の助けを受け入れること、暮らしには理不尽にこたえなければならない場面があること…。作品に表れるさまざまな物の見方が腑におちる。気の合う作品で楽しかった。2016/10/18
今夜は眠れない
0
再読2016/05/23