出版社内容情報
植物はどんなくらしをしているのか? 雑草の世界を5年にわたって見つめ続けてきた著者が、精魂傾けて描く、比類なく美しくドラマにみちた大型科学絵本。
<読んであげるなら>5・6才から
<自分で読むなら>小学低学年から
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やま
136
雑草のくらし 1985.04発行。字の大きさは…中。著者が実際に畑を借りて観察して描いたものです。最初の年の春には、メヒバシなどの草が生えて来ます。小さな草は、大きな草の下敷きになって枯れるもの、虫に根ごと引っ繰り返されるものなど。草たちは、早く大きく、強くなろうと一生懸命です。そして、一生を終える秋までに、花を咲かせ、種子を残して枯れて行き。翌年の春には、新しく育った草が大きく成長し、生えてきたメヒバシをおおい。背の低いメヒバシは枯れていき。どんどん背の高い、繁殖力の強い草が生えていきます。🌿続く→2021/02/22
seacalf
100
今年のベスト入り決定。それくらい心を動かされた科学絵本。5年もの歳月をかけて空地の雑草の暮らしを丹念に追う。メヒシバの王国にオオアレチノギクが取って代わり、カラスノエンドウの天下、クズやヤブガラシ、そしてセイタカアワダチソウへ。こんなにもドラマチックで熾烈な攻防戦が繰り広げられているとは。この絵本をきっかけにしてNHKスペシャル『足元の小宇宙Ⅱ』を観たが、作者の甲斐さんは本当によく笑うユニークなお人柄のチャーミングな人。またひとつ素敵な本に出会えて幸せ。2020/11/06
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
88
空き地を戦場に繰り広げられる、人間には伺い知れない植物たちの静かで熾烈な生存競争。少しでも多くの太陽を求め上へ上へ伸びていくメヒシバ。傷つき一本だけ残った根を深く地面に下ろしていくエノコログサ。風に乗って空き地に飛んできた種子。勝負は一年では決まらない。冬を越え、勢力図は一変する。風が運んできたオオアレチノギクが伸び、日陰になった草は枯れていく。しかし、その栄華も続かない。クズやヤブラカシなどのつる草。セイタカアワダチソウ……。さらに、土の中で栄養を貯め込んだ新たな勢力が芽を出す。5年間の記録。感動した。2015/06/20
がらくたどん
87
畑の真ん中の空き地で繰り広げられる雑草たちのドラマの5年に渡る観察記録。どこからともなく現れて時に栄え、時に滅び、栄え過ぎれば栄華は続かず、滅びても地中に密かに種を残して時を待つ。草にとっての5年は長い。空き地の姿が刻々と変わる様子が克明にそのエネルギーまで描かれて美しい。強いものが弱いものを滅ぼすという生き物としての摂理が「時間」というもうひとつ大きな自然の掟の前に頭を垂れる様は荘厳ですらある。今回、別著で本書の記録の成り立ちを始めて読んで、畑の中にポカンとできた土地が文字通りの観察区だったことを知った2022/12/12
Yamazon2030
70
2018(22) 五年間にわたって畑あとを観察する中で書いた観察絵本。 そこには、雑草の世界の激しい戦いが繰り広げられていた。 生きていくことの厳しさをまじまじと感じた! 雑草って本当にすごい!!2018/05/16