出版社内容情報
カミイは紙のロボット。いたずらでわがままで泣き虫ですが力もち、幼稚園に入って大さわぎをおこします。集団生活での子どもの心理を巧みにとらえた作品。
<読んであげるなら>4才から
<自分で読むなら>小学低学年から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
100
段ボールでロボットを作ったたけしとようこ。紙でできてるから『カミイ』と名づけました。「なみだのもとを入れとこう」と水色のビー玉を胴体に入れると、いきなりカミイは喋り始めました。ロボットの国に住んでいた子どもロボットが段ボールの中に入ってきたようです。泣き虫のくせにわがままでマイペースなカミイは幼稚園でもわがままは相変わらず。でも良いところもあって……。クラスに一人はいる輪に入れない子。違ってるところを受け入れられれば見方も変わるはず。1970年2月初版。絵を手がけたのが堀内誠一さんとは知りませんでした。2016/02/13
とよぽん
52
古田足日さんらしい作品だ。「おしいれのぼうけん」と同じように、子どもだけがもつ子どもらしさを存分に表現して落としどころも絶妙だと思った。2024/12/17
さつき
45
子供に読み聞かせ。ダンボールでできたロボット、カミイのお話し。カミイは何でも自分の思い通りにしようとし、それが叶わないと泣き叫ぶ、まるで2〜3歳児そのままな性格。良い行い、悪い行いの区別もつきません。その素直な言動は可愛らしさと同時に憎らしさも感じさせ、まさに子供そのまま。自分の身体が溶けてしまうほど泣いたり、子供たちに向かってきた暴走ダンプを止めようとしたり…読み聞かせつつ胸がいっぱいになり私も涙が溢れてきました。娘もカミイが大好きになり、お話しの中の出来事を自分に当てはめて考え始めました。良い本です。2017/03/23
annzuhime
41
図書館本。小学1年生と4年生の娘にチョイスし、私も読了。段ボールで作ったロボットのカミィが動き出した。一緒に幼稚園に行くけど、いばりんぼで自分勝手なカミィにみんな怒っている。人のものを取り上げる、砂をかける。やっちゃいけないことだけど、それがなぜダメなのかをきっと今まで教わってこなかったんだろうね。それでも最後にはそんなカミィが強さと優しさを見せ、幼稚園のみんながそれに気付く。CASA BRUTUSの大人も深読みしたいこどもの本100。2023/09/16
chiaki
36
いばりんぼでわがまま、乱暴もののロボット・カミイ。幼稚園でのお砂場事件では、かずおやまゆみの作品を壊すわ、砂をかけるわ、止めると泣くわで大騒ぎ!カミイを造った責任からか、造った親心か…どんな騒ぎにもたけしとようこはカミイが幼稚園に留まれるよう必死にみんなを説得します。ラストでは勇気あるカミイの行動にじんわり胸を打たれる!全体を通して、カミイを含む子ども同士のやりとりに大人が無理に介入しない、子どもだけで解決しようとすることが、このおはなしを面白くしているのと、堀内さんの絵がとてもいい!お気に入りの1冊。2023/04/11