出版社内容情報
1948年、野尻湖でぞうの歯と思われる化石が見つかりました。それ以来、何回かの発掘でいろいろなことがわかってきました。この本で、太古のなぞを解くおもしろさを味わってください。
<読んであげるなら>---
<自分で読むなら>小学中学年から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
132
斑尾火山の裾野が陥没してできた長野県にある野尻湖。1948年10月、湖面が下がり湖のほとりの住民がナウマンゾウの歯の化石を見つけた。この絵本には実物大の臼歯が描かれている。調査を進めると、同じ地層にオオツノシカと花粉の化石を発見。今の植生と異なりトウヒやモミなど寒い気候の植物ばかりだった。3回目の調査で牙と石器の欠片が見つかった。今より平均気温が十度低かった三万年から一万五千年前、私たちの先祖はどのように生活していたのだろうか。鹿角は星形、象牙は月形。星と月が並んで発掘される、夢あふれる1976年の絵本。2021/03/20
やま
89
夢が膨らむ、発掘調査!字の大きさは…中。 長野県北部の野尻湖の湖底から氷河時代のナウマンゾウとオオツノシカの骨が出土し、その研究成果を1976年に絵本で説明したものです。3~5万年前の最後の氷河時代の化石の発掘をすることに夢が膨らみ、私も、野尻湖の発掘調査に参加してみたくなります。発端は、1948年に野尻湖の畔にある旅館の人が、水が少なくなって顔を出した野尻湖の湖底から、像の歯と思われる化石を拾いました。その化石は、ナウマンゾウと呼ばれる、大昔日本に住んでいた象の臼歯(奥歯)であることが分かりました。2021/05/14
新田新一
16
野尻湖でナウマンゾウの骨が見つかり、その頃の動物の骨や人間の道具が続いて発見されたことを描いた絵本。歴史のロマンを感じる素晴らしい作品です。ナウマンゾウが発見されたこと自体知らなかったので、歴史の勉強にもなりました。ナウマンゾウの先祖はインドに住んでいたそうで、大陸と日本がつながっていた時に、日本へ渡ってきたのかもしれません。3600名もの人たちが集まって、発掘をする場面の絵は胸が躍ります。色彩豊かで躍動感のある絵になっています。繰り返し読みたい絵本がまた1冊増えました。2024/04/02
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
16
1976年発刊、野尻湖底で発見されたナウマンゾウの歯の化石がきっかけで、3年ごとに発掘作業を未だ続けているそうです。絵本の中では第6回まででしたが、全国から約3600人が集まったそうです。みんなで歴史をひも解いていくのは、夢のある作業ですね。黒姫童話館が近く、1度館長さんが来町されたことがあるのですが、こちらからも是非訪ねてみたいです。2020/11/27
Squirrel
5
勉強になりました。「野尻湖」知らなかったんです。ましてや、ナウマンゾウの化石発掘場所ということも。この本の内容は化石発掘の初期をわかりやすく説明してくれています。最初の化石発見から60年以上経った今、その間に「野尻湖ナウマンゾウ博物館」も建てられ、ここにいけば本の続きを知ることができそうです。2023/08/03