著者等紹介
斎藤隆介[サイトウリュウスケ]
1917年、東京生まれ。明治大学文芸科卒業。新聞、雑誌記者を経て、戦後は、疎開先の秋田でNHKライター、わらび座文芸演出部客員。58年帰京し、新制作座文芸演出部嘱託、ルポ・ライターなどをした。85年没
滝平二郎[タキダイラジロウ]
1921年、茨城県生まれ。40年ごろから木版画をはじめ、42年造型版画協会第六回展に初出品。戦後、日本美術会に参加、以後日本アンデパンダン展に版画作品の出品を続け、同時に出版美術方面の仕事もはじめる。2009年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
148
この絵本も子供が自分で読むというよりも大人が読み聞かせてあげるようなはなしではないでしょうか?「八郎」や「モチモチの木」でおなじみの斎藤隆介さんの作品です。滝平さんの絵がぴったりと合っています。むかし話と民話が混在したような作品です。2016/06/03
masa@レビューお休み中
129
泣きたくなるほど、悲しくて…。絵本を閉じた瞬間に得もいわれぬような感情が湧き起こってくる。その感情が何なのかわからないまま、しばし茫然としてしまうのだ。三コは、誰よりもやさしくて、親切で、力持ちである。しかも、誰にも知られずに人助けをしてしまうほどである。それにも関わらず、三コはオイダラ村から出て行かなくてはいけなかった。それは、彼が百姓の家の長男ではなく、人よりもはるかに大きな体であったから。秋田弁の独特の言葉回しが、また切なさを誘うのです。郷愁のような懐かしくて切ない気持ちに…。2015/05/31
そる
128
字の多い絵本でした。これも秋田の話で、また巨人。やっぱり山持ち上げたりするんで八郎?と思ったら違った。仕事がなくて困ってる次男三男達のために仕事を与えるためオイダラ山に木を植えて林業するようにさせた。そしたら山火事が起きてしまった。なんと、自分が山に覆いかぶさって山火事を止めた。すげーなー、八郎と似てる。三コのおかげで秋田は木の国になったんだそうです。こちらは原文で教科書に載ったそうですが八郎は共通語に直した人がいてそれを教科書に載せたら見るも無残だった、と作者斎藤隆介さんの話が載ってました(笑)。2018/10/17
chimako
83
この自己犠牲の精神はどこから来るのか。何百年も生きた三コ。大きな三コ。寒く貧しい村。長男が家を継ぎ次男三男は家を出る。どうやって食っていく?土地を増やせば良い?ならば海を山で埋め立てるか、いやいや山に木を植える。山仕事で食っていける。大切に育てた木々がやっと山を覆う頃、きな臭い風が吹いてきた。あの山が燃えている。真っ赤な炎が山をなめる。三コはその山に被さる。被さって火を消す。「また木を植えるんだ」と言い姿は消える。その精神は連面と続き山人を育てる。人を育てる。三コも八郎もやるせない。2021/11/09
おくちゃん🌷柳緑花紅
78
人知れず困っている人を助ける三コ!!大きな大きな体の三コ、体が育ったのは魂が育ったから。迫力のある版画と秋田弁で語られる。読み終えて、心の中で何度も何度も叫んだ「三コ~~~!!」オンチャは今も山仕事しているよ~!秋田は木の国になったよ~木も人も育ったんだよ~!「三コ~~~!」最後のページの「三コ」に添えてもとても良い。次は八郎を!2015/06/02
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