出版社内容情報
アフリカの草原やアマゾンのジャングルへ行かなくても、動物の観察はできます。たとえば近所のノラネコ。ネコのあとを1日こっそりついていったら? ゆかいな動物行動学入門の本。
<読んであげるなら>---
<自分で読むなら>小学中学年から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
馨
108
ノラネコのナオスケの1日リポート。よく調べたなぁという印象。猫ちゃん同士の、遭遇した時の交わしかたや、上下関係がとてもわかりやすくて面白く読めました。今後、ノラネコが歩いていたら興味深く見てみようと思います。2016/03/21
みかん🍊
99
野良猫ナオスケを24時間追ってその行動を観察、研究した、散歩、寝る、食べる、そして他猫とはむやみに争わずやり過ごす猫社会のルール10、なかなか猫の後をつけるのは無理なので実に興味ぶかい、しかしまるっと1日ご飯もちゃんと食べず寝ず後を追いかける研究者は大変です。2021/11/09
ぶち
87
動物学者伊澤雅子さんが、あるノラネコの一日を克明に追った記録です。ノラネコ同士がすれ違う流儀、それでも鉢合わせてしまったときはどうなるか、など臨場感たっぷりに描写されています。猫はやはり寝ていることが多いことも、想像以上に行動範囲が広いことも、ノラネコ社会の仕組みも良く解ります。平出衛さんの絵はいつもながらとても猫っぽく、微妙なしぐさを丁寧に捉えていて、絵本としても素晴らしい出来映えです。伊澤さんは、100匹以上のノラネコをカードに記録し、親子関係まで判るようにしていたそうです。これこそ研究者魂ですね。2018/11/20
p.ntsk
80
ナオスケという一匹のノラネコを追跡して朝の10時から翌朝6時までの約一日の行動を観察。気まぐれに見えるノラネコも意外と規則正しい。[ネコ観察のコツ]や[ネコ社会のルール]もなるほどでした。作者は大学の生物学の先生。丁寧なイラストでまさに観察レポートという感じです。 2019/03/02
へくとぱすかる
79
ノラネコはふだん、どんな生活をしているのだろう。動物を飼ったことがないので、知らないことばかりだった。よく寝ているから「ネコ」という名前なのだという話は、ほんとうかどうかは知らないが、この観察記録によれば、かなり真実味があると思う。身近な動物の生態を研究するには、まずどうしたらいいかを教えてくれる。しかし朝から朝までの追跡は、なかなかどうして大変だ。身近だからこその苦心もある。数が多いわけでもない町のネコ同士にも、社会のルールがあって、ネコも大変である。観察のコツはやはりネコのルールを理解することらしい。2022/06/29