出版社内容情報
一度も実のなったことのないリンゴの木に、ある日突然実がなって、とてつもなく大きくなりました。リンゴの持ち主ワルターの喜びと悲しみ、周囲の人間の悲喜劇が描かれています。
<読んであげるなら>4才から
<自分で読むなら>小学低学年から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
273
ヤーノシュ※作。矢川澄子の訳。ヤーノシュはポーランド生まれの絵本作家。1本だけリンゴの木を持っていたワルターの願いは「ひとつでいいから、うちのきにもリンゴがなりますように」というものだった。その願いはかなうのだが、とてつもなく大きなリンゴが1つ…というお話。リュウが登場するなどして、後半は奇想天外な展開に。そして、これに呼応するように絵も素朴なタッチながら、奔放な想像力を広げて行く。願いのささやかさと、結果の大きさのギャップが楽しい絵本。2024/07/25
KAZOO
116
かなりむかしに出版された本で絵だけは覚えていました。自分の庭のリンゴの木が他のところのに比べてならないのをなげいていたらものすごい大きなリンゴがなってしまいます。その取り扱いに困っていたところあることで非常に役に立ってということで・・・・。楽しめます。2019/03/14
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
92
ポーランド生まれのヤーノシュ氏のちょっと切ないお話。貧乏なワルターが持っている唯一の財産はリンゴの木。だけど、この木はまだ一つも実をつけたことがありません。夜ベッドの中で心を込めて祈りました。「うちの木にもリンゴがなりますように、ひとつでいいから欲しいのです」。祈りは叶えられて、ほんとにすばらしい毎日だった……と思われたのですが。幸せな気持ちが暗転、そしてまた……。まさかまさかの結末でした。1969年3月初版。2015/10/12
mincharos
58
ストーリーも予想外の展開ばかりで楽しく、絵も味わい深かった絵本。ワルターさんの家のリンゴの木だけ毎年実が生らない。「どうか一つだけでも」とお願いをすると、その願いは叶えられたのですが、、、人間って欲深いなと。「隣の芝生は青い」だね。しかし心配性のワルターさん、どんな願い事が叶ったとしても、それでも決して幸せにはならないんだろうな。リンゴ嫌いなのに、なぜそこまでリンゴに執着する!と、息子もそこに一番びっくりしてました。2017/11/03
Rosemary*
49
【児童書・絵本で寄付しましょう♪】 あんなに実がなることを渇望していたのに、実は嫌いだなんて… ププッ、笑ってしまいました。おばけりんごが役に立って良かった!折角,肩の荷が下りたというのにまたお願いするなんて、人間はそんなものなのでしょうか⁈ 色鮮やかでインパクトのある絵がステキ。2014/06/21