内容説明
ありし日、紀伊半島中央部十津川(熊野川)流域で伐り出された材木は、筏に組まれ、熊野川の豊かな流れにのって新宮市まで流送された。その距離100余キロ。熊野川の河口は筏でうめつくされ、川原には宿屋、鍛治屋、飲食店などが軒をつらねた。そしてここにも山奥でと同様に、木とともにくらす人々の労働があった。
目次
第4章 (青春を川に浮かべて―筏師中森叡―聞き書き;筏の終焉―筏師上北六男―聞き書き)
第5章 木の花咲く町で―材木商杉本義夫―聞き書きを中心に
第6章 山に棲む日々
感想・レビュー
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アナクマ
20
6章「山に棲む日々」◉今日の稼ぎにはならなくても、価値あるものを所有し、育てていることへの期待や満足感もある。肉体労働が…しばしば苦痛を感じるのは、単純に金銭価値に置きかえるからである(p.259) いまになってみると、どんな雑木や雑草にもなつかしさと親しみを覚える(p.262)◉本章は1985年、山棲みの風俗習慣・人物録、そして山の手入れ日誌(著者は40代後半)。比較的新しい記録だが、貴重さと面白さは文句なし(「林業は氷河期やのら」)。こうして遺せば、誰かが後世、拾って使うだろう。2020/02/25
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