出版社内容情報
いつも主人にいじめられていた黒馬が、サンタクロースの銀のそりを引くようになるまでのお話。フランスのフレネ学校の共同創作を原作とした、優しい、静かなクリスマス絵本です。
<読んであげるなら>4才から
<自分で読むなら>小学低学年から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kawai Hideki
66
金持ちだが意地悪な飼い主に、徹底的にこき使われ、馬小屋もない野ざらしの環境に置かれ、仕事ができないと「老いぼれ馬め!」と罵られながら、死にそうになるまでぶっ叩かれる苦労馬・ブランキーのお話。ブランキーが、そんな理不尽な環境をどう思っているかは語られることはない。ただ、「一生懸命に働き」、「夜には星空を見上げていた」という描写があるだけ。クリスマスの夜、道ばたにへばって倒れていたブランキーに、サンタクロースからソリを引く馬としてスカウトが。仕事に対する誇りと、優しい飼い主に恵まれて良かったねえ。2016/11/26
gtn
44
ブランキーが最期に観た夢は、他に尽くす喜びに包まれ、宇宙の壮大さを心から味わい、そして安寧と眠る。それだけの夢を見る権利がブランキーにはある。2025/02/17
アナクマ
39
りっぱな いえが できました。でも ブランキーは そとで ねます。しゅじんが ブランキーの すむ こやを つくって くれなかったのです。あめの ふる ときには、ブランキーは、きの したで ねます。◉どうしてこんな仕打ちを…まったく非道い主人だ。ブランキーに救いはあるのか。◉甘くもないし、きびしい情景も描きますが、どこか優しげな絵。これはいい絵。細波ひとつなく鎮まり、しいんと消え入るようでいて消えない余韻が悪くない。というか、長く尾を引く。67年刊。2020/02/22
ちえ
35
図書館のクリスマスコーナーに懐かしいこの本を見つけて借りた。作者のブランキーに対しての優しいまなざし、堀内誠一氏の絵がまた温かい。いつまでも読み継がれてほしいなあ。2024/12/01
クラムボン
34
最近読んだ「堀内誠一 絵の世界」に、絵本作家としてデビューした当時の話が載っていました。「くろうまブランキー」が第一作目なのですが、その前にグリム童話の「七わのからす」を依頼されていたのです。しかし創作に苦しんで完成出来ずにいたそうです。その時にこちらの作品化の話が有り、出版第一号になりました。ただその辺りは、うろ覚えなので…逆だったかもかしれませんが…。黒馬ブランキーの表情、そして絵本全体に漂う哀愁が堪らない魅力です。2022/08/18