感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アナクマ
30
面白そうだから行ってみる、分からないから調べてみる、という姿勢に貫かれ、読者の手をひき歩をあわせて、鍾乳洞とは何かをかみ砕いて案内してくれる。「わたしは、たくさんの疑問を解いてみたいと思いました」作者の人柄なのだろう、暗闇を不安なく導かれるような読み口。◉秋吉台の三段構造(水面付近で形成される説)、「とけあと」分類など、洞窟不思議要素解明のワクワク臨場感も伝わる良書。竪穴、鍾乳石、洞窟サンゴ、特殊な生物群、秋吉原人…。工業用石灰岩の採掘という人間の都合にもピシャリと一言を加えている。85年刊。2020/10/12
圓子
2
入手困難で読むのを諦め忘れていた本。旅の宿の蔵書に!夢中で読みました。さっき見てきたあの洞窟の、人間からみた歴史だと思うと感慨もひとしお。お上の『金にならなきゃ役立たず』という姿勢は別に今に始まったことじゃないのだ、が垣間見えてため息。2024/03/23
のん@絵本童話専門
2
昭和中後期の洞窟研究の過程がエッセイ的に書かれている。洞窟に初めて入ったときの恐怖、わくわく感。疑問に対する粘り強いアプローチ、答えがわかった時の喜び。様々な感動が伝わってくる。生きた化石と呼べる進化を発見し「洞窟は、自然が地球上にのこしてくれた数少ないタイムカプセル」だという庫本さん。はるか昔から脈々と続いてきた洞窟は地球生物の共有財産であり、簡単に壊してしまう近代産業を批判している。科学のアルバム『しょうにゅうどう探検』も参照すると、ヘリクタイトなど写真で理解できると思う。東京子ども図書館推薦2023/07/05
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0
.2021/04/21