出版社内容情報
大男の八郎はなぜ自分の体が小山ほどあるのか知らない。ところがある日、大波に田畑を流されて泣く百姓を見て、初めて自分が働く者のためにあることを知り、荒れ狂う海にむかいます。
<読んであげるなら>5・6才から
<自分で読むなら>小学低学年から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そる
113
八郎(八郎太郎のこと)は秋田の伝説の人?神?ですけど、いやー、いいやつだったんだね!わらしっこが泣くのがかわいそうだって、村人達のためにって、山持ち上げて海に沈めて、それでも海が荒れるから自分はこのためにでっかくなったんだ!と言って波を押して押して海に潜って押し続けてるんだって。押し続けてる場所は八郎潟でそこは波が静かで、海に沈められた山は寒い寒いって言い続けてるから寒風山って言うんだって。八郎のストレートな言葉に目がウルウルになりました。「わらしこないたれば、かわいそうでねが!」版画の絵もステキ!2018/10/11
☆よいこ
95
小学3年国語『モチモチの木』斎藤隆介と滝平二郎の関連で読み聞かせ▽八郎は気のいい山男だったが、毎日浜に出かけては大声で叫び大きくなりたいと願った。ずんずん大きくなった八郎の頭には鳥が巣をかけ、走り出す八郎の頭にかすみがかかるように、鳥が八郎を追いかけた。ある時、浜で泣いている男の子がいた。海が荒れて田や畑に潮水がかかると作物がダメになると泣いている。ひどく同情した八郎は、山を抱え上げて海に投げ込んだ。しかし海は怒り押し寄せてくる。八郎は両手を広げて海に入り、波を押し返したが、その身は海に沈む▽方言超難しい2022/02/24
nakanaka
84
インパクトのある絵や秋田の八郎潟との繋がりから手にとりましたが、幼かった頃に読んだ記憶がありました。大きくて優しくて格好いい八郎に憧れてしまいます。八郎潟との関係でいうと斎藤隆介による独自の解釈に基づいた作品のようですが夢があって私は好きです。滝平二郎さんの切り絵と物語が絶妙に合わさって後世に残る名作にしていると感じました。。2017/07/15
つくよみ
77
図書館本:秋田に住む、山男の八郎。ただでさえ、樫の木ほどもある大男だったのだが、更に大きくなりたくてなりたくて、その願いに応じてぐんぐん成長し、終いには、文字通り山ほどもある大男に成長した。そんなある日、泣いている男の子の願いを聞いて、荒れ狂う海を鎮めにかかったのだが・・・全編秋田弁で語られる、心優しき大男の物語。大海原に対して、小手先の力技が通用しないと知ると、迷うことなく自らの命を投げ出して、民草の生活を守りぬいた。ざっくりと力強く描かれた版画と、味わいのある文章が絶妙に融合した作品。2014/02/18
はる
66
八郎、でっかい!すごい迫力。構図も大胆。幼い頃はちょっと怖かった。でも何度も本棚から引っ張り出して眺めていた気がする。圧倒する魅力があったのだと思います。2020/06/03