出版社内容情報
ねこを1匹ほしいおじいさんが、丘こえ谷こえ探しに出かけ、100まんびきのねこがいる丘を見つけました。世界中の子どもに愛され続けている絵本の古典です。
<読んであげるなら> 3才から
<自分で読むなら> 小学低学年から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
350
ワンダ・ガアグ作(文と絵)。ガアグはアメリカの作家、イラストレーター。ニューバリー賞ほか数々の賞を受けている。本書の出版は1928年。今もこうして読まれているのだから、息の長い作家だ。お話はタイトルからしてそうであるように、白髪三千丈的な誇張が楽しめる。西鶴ばりの大風呂敷といった風情である。絵も古典的だが、モノクロームの描線が力強い。おじいさんとおばあさんの、ちょっとずるそうに見える表情が可笑しくも微笑ましい。一方、ネコの描き方はおおざっぱというか、実におおらかな描きぶりである。2024/02/03
Kawai Hideki
129
二人でこじんまり暮らす老夫婦。寂しさのあまり、おばあさんがつぶやいた「ネコがいれば」という不用意な一言から始まるホラー。おじいさんが出かけると、1兆匹のネコがいる丘に。「100万匹のネコ」どころではない。その100万倍!おじいさんは、好きなネコを連れて返ろうとするが、1兆匹のネコがついてくる。彼らが通った後は、池の水も枯れ、野原の草は食い尽くされる。当然、おばあさんもびっくり仰天。「一番きれいなネコ」を飼うことにしたものだから、1兆匹のネコ達は「私が一番!」と血みどろの争いに。生き残ったのは...2016/03/21
紫綺
123
ちょっとー、これは・・・ねこ残酷物語だ。じいちゃん、それはひどいんじゃないか。2016/04/17
☆よいこ
87
絵本。ワンダ・ガアク作。石井桃子訳▽おじいさんとおばあさんが、二人暮らしじゃ寂しくて猫を飼いたいと思う。おじいさんが猫を探しにいくと「ひゃくまんびき、一おく 一ちょうひきの ねこ」がいた。おじいさんは一番きれいな猫が欲しいと考えたが決められないので、全部の猫を連れて帰った。おばあさんが困るので猫たちに自分で決めさせようという。猫たちはお互いに争って「たべっこ」してしまう。残されたのは痩せこけた猫が一匹だけだった▽なかなかのシュール展開。再読。1961年発行2025/05/05
gtn
80
一人の真価を見いだすことができれば、それが普遍化する。数多の猫に優劣が付けられないことに、おじいさんもいずれ気付くだろう。2020/07/30