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内容説明
嵐が来そうだ―なにかがはじまる予感がする。ライラは塔の館の窓から海を眺めていたが、強まる風雨に血が騒ぎ、なにかに導かれるように車を走らせて岬の断崖の上に立った。そのとき稲妻が走り、暗い海に浮かぶ黒い塊を照らしだした。信じられない、人間だわ!ライラは迷わず冷たい海に飛びこんだ。波に打ちつけられ浮き沈みをくりかえしながら、やっと岸にたどりついたとき、二人は思わず安堵のキスをかわした。そして、男はかすれた声でつぶやきながら意識を失った。「まさか人魚がいるなんて…」。