- ホーム
- > 和書
- > 新書・選書
- > ノベルス
- > ハーレクインシリーズ
内容説明
なんという運命のいたずら。あなたがわたしの生徒だなんて。教室に入った瞬間、カミラは年長の学生を見て凍りついた。視線は永遠にからみ合うように思えた…ジョンだわ。この世でただひとりカミラの不幸な過去を知っている男。母の愛人にレイプされ家を飛び出してさまよっていたとき、食べ物を分け、清潔な部屋で眠らせてくれたやさしい青年。ジョンの金を盗み、彼の前から姿を消して以来、カミラは大学教授にまで上りつめていた。授業が終わるとすかさずジョンが近づいてきた。「失礼ですが、どこかでお会いしたことがありませんか?」カミラは狼狽して、できるだけ冷ややかに答えた。「いいえ、ありません、一度も」長い間、象牙の塔という安全な殻に閉じこもってきたのに、ジョンはわたしを脅かそうとしているのだろうか、それとも…。