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内容説明
「わたしにチャンスを与えてください。第一にわたしには才能があります。第二に…」ローラはやっと会えたボスのアレックにまくしたてた。大手広告代理店に入社したものの仕事はいつも電話帳の広告作りばかり。ローラは社内最大のリージェンシー・ホテルズの企画チームに加わろうと、直談判するためにアレックのオフィスへ乗り込んできたのだが、勢い余って彼にコーヒーをかけた上に、思い切り不満をぶつけてしまった。「きみはぼくの興味を十分に引いたよ。話を続けてくれ」いやな顔をされるかと思ったが、意外にも彼はこんなことを言った。「技術と才能を生かすチャンスをいただきたいんです。わたしが企画チームにふさわしいかどうかじかに判断していただいて、それでだめなら文句は言わずに退社します」そのときアレックにじっと見つめられ、ローラは緊張で凍りついた。「わかった。きみにも広告案を出してもらおう。提出はあすの三時までだ」ローラはここで初めて自分の軽率さを呪ったが、もう後戻りはできなかった。