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内容説明
「ぼくはきみの兄なんかじゃない、父の養子でしかないんだ」「それでもわたしにとっては兄なの、ずっとそう思ってきたわ。だからお父さまの遺言に従って、わたしたちふたりで会社を…」目に涙をため、必死に食い下がるジェシカを見ているうちに、ケイドは不意に彼女を抱き締めたい衝動に駆られた。おれはいったい何を考えているんだ。いくら血のつながりはなくても自分の妹を抱き締めたいだなんて―。すべてはおれを見捨たはずの父が残した、遺言状がいけないのだ。ジェシカとおれには会社の自分の持ち株を半分ずつ与えるが、そのためにはふたりが会社の経営にあたり、半年以内に百万ドルの利益を上げなければならない…なんという遺言だ。おれはバイクの整備をすれば何不自由なく生きていける。だが、ジェシカは株を失えば、無一文で放り出されることになる。一途に自分を見つめるジェシカを前に、ケイドは迷った。