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内容説明
美しい肢体をさらし、一糸まとわぬ姿で彼女は近づいてきた。ジェイコブはわれを忘れて彼女を抱きしめ、激しく求めた。「記念にこれを持っていて」彼女はネックレスを差し出した。“H”の字を崩したような奇妙な形の銀の飾りが揺れている。ジェイコブはそこではっと目を覚ました。なんて生々しい夢だ…。敏腕弁護士として名声を得た彼は、仕事に行きづまりを感じて旅に出、ここマーブルヘッドにたどり着いた。魔女狩りで有名なセイラムの隣、古くから魔女に縁のある町だ。偶然泊まった宿〈魔法のハーブ亭〉もしかり。ハーブやお守り、まじないに関する品物を階下で売っているし、宿の女主人デジレも町の人からうさん臭い目で見られている。翌朝、寝覚めの悪い頭でキッチンに行ったジェイコブは、かがんだデジレの胸もとを見て体を凍りつかせた。夢の中で見たあのネックレスが揺れているではないか。