内容説明
“あなたの未来を告げる神秘のマダム・ザイアーのもとへどうぞ”サーカスの呼びものの一つ、予言師の小さなテントの中でリンゼイは水晶球を前にして座っていた。官能的なドレス、きらびやかな装飾品、エキゾチックなメイク…。彼女はサーカスの同行取材をしているフリー記者で、取材中とても親切にしてくれた団員に頼みこまれて一晩だけ、予言師の代役を引き受けたのだ。最初は不安でたまらなかったが、十数人の客を無難にこなすうち調子に乗ったリンゼイは、ある男性客に“愛の予言”と称していいかげんなことを口走った。そして…。
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- 虎刈 処女句集シリーズ