内容説明
それはキャスリンにとって信じがたい光景であった。松林の中で月の光を浴びて愛し合う男と女の美しい姿…。でもそれが、数時間前にキャスリンにプロポーズしたフィアンセとキャスリンの妹だったとは!キャスリンはその場から逃れるように姿を消した。あれから五年、今はバンクーバーで保育園の助手としてひっそりと暮らしている。人とのつながりを絶って、愛をよせつけず…。だが、五年の歳月をかけてキャスリンをさがし続ける男がいた。カナダの森林を牛耳る男、木材取引商のローガン・ラムジー、彼はキャスリンの愛をふみにじったかつてのフィアンセである…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
糸車
24
再読。洗濯物を干していてふとこのお話を思い出し、ドナドナ本の中から救出。エピソードの数々は考えようによってはちょっと怖い方向に持っていけるんでは。ヒロインと別れてすぐ彼女の妹と結婚したのに、しつこく何年も行方を捜していた理由とか。当たり前のように自分と結婚して息子の母親になってくれると信じ込むヒーローも怖い。婚約までしていたのに、全く知らされていなかった瓜ふたつの双子の弟の存在。財産目当てに甥を自分の子だと言い張る弟。同じ材料でホラーを書ける気がしたもので、ちょっと違う目線で読むのも面白かった(笑)。2017/07/03
糸車
5
じっくり読み返してヒーローの高潔さに感服。誠実だし、冷静だし、ちゃんと謝ることもできる。やっとのことで探し当てたヒロインを有無を言わせず引っさらい、あっというまに結婚に持ち込んだあたりで傲慢なヤツと思ったら、顔や態度に出さないだけで必死だったんだなあ。プライドの高い男性がそこまでしてくれるのって、ヒロインへの愛ゆえ。もと秘書だったヒロインは、ヒーローのことを知っていたのだから、もっと信頼するべき。自分に自信がなかったとしても。それぞれに誤解していたふたりが深い絆を結ぶきっかけになるジョンが可愛い~!2014/01/15
糸車
0
愛しているなら、ちゃんと向き合おうよ、ということですね。婚約者の裏切りを目の当たりにしたらショックだと思うけど(と思い込んでいた)、思い切って言いたいこといってから別れればよかったのね?ヒーローの頑固さ、我慢強さはすごい。そこまで求められるというのも女性としては嬉しいかも。ヒロイン妹が生んだ息子の可愛さは文句なし。子供好きなヒロインがこんないたいけな子を見捨てるわけない、とヒーローはお見通し。 ママを探し出して一緒に暮らすんだ、だから待っているんだよって言い聞かせているシーンを想像したら切ないな。2013/03/23