内容説明
夫が突然離婚を宣言して家を出た。金もないのに、事業を始めるのだと言い残して…。しかし数日後、彼は死体となって発見された。毒薬の壜が庭でみつかったことから、バレリーは夫殺害の容疑をかけられる。バラの花から農薬を作るタルミッジ社とその一族、そして町の有力者たち―田舎町コンスタントを牛耳る人々がバレリーの有罪を信じ、敵対してきた。「幼い息子トニーを守るためにも、私は負けられない」裁判を目前に、孤独な闘いを決意するバレリーの前に現れた一人の男ニコラス。巧みにバレリーに近づいた彼には、実は隠された意図があった。それとも知らず、優しく強いニコラスに惹かれていくバレリーは彼を信じ、夫の残した暗号を解いていく―やがて彼女が知ったのは、町ぐるみの陰謀という恐ろしい事実だった。バラの香りのただようコンスタントの町でまた新たな殺人が企てられていた…。
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- 和書
- 説経正本集 3