内容説明
レスリー・パリッシュの目は、香水の広告写真に釘づけになった。そこには、非の打ちどころのない男性がいる。黒い髪、気品のある高い鼻、官能的な顎ひげ。そして夢みるような表情。レスリーがため息をついたとき、兄の声がした。「いとしの妹よ、ご所望のものは?きみの三十歳を祝してとびきりのものを」。ニューヨークの名門パリッシュ家の末娘にとって今さら欲しいものなどなかったけれどふと、広告写真を指しながら、レスリーは答えてしまった。「セント・バーツの別荘に一週間滞在することよ。この彼といっしょに。うふふ、プレゼントしてくださる?」