内容説明
今日はテレビドラマのオーディションの行われる日。淡い陽光のもと、会場へ向かって歩き出したフランシスはまもなく、街角で苦しそうに身をかがめている老婦人に気づいた。先を急いではいるが、そのまま見捨てて行けるフランシスではない。タクシーで老婦人を無事に家まで送り届けたのはいいが、指定時刻に遅れてしまった。さあ大変。しかし、なんと間が悪いのだろう。やっと乗りこんだエレベーターが故障して突然止まり、会場の目と鼻の先で、閉じ込められてしまったのだ。しかも、よそよそしい、取りすました男と二人きりで。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
糸車
20
何度か読み返してじわじわ好きになる。具合の悪い老婦人を見捨てられず大事なオーディションに遅刻覚悟で彼女を助けたヒロイン。女優としての根性もあるし性格も良い。老婦人の息子でディレクターのヒーローは結構屈折してる。何ヶ月も仕事して個人的にも触れ合った女性を噂とたった一度の誤解を元に断罪し、その後の謝罪も微妙。でもこういう性格なんだな。物凄く凹んだくせにカッコつけるからヒロインに響かない。めんどくさい。間に入ってくれる医師とルームメイトが良い人。南の美しい島で過ごしているのにプロポーズがバスの中ってひどくない?2019/12/09