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内容説明
眠れない。深夜、メグはベッドから起きあがった。おばの家は静まり返っていた。話し声もやんでいる。おば夫婦は話し合いを、今日は終わりにしたらしい。なぜ突然、大学院の卒業を間近にして帰ってきたのか、私にはまだ打ち明ける勇気がない。失望したみんなの顔は見たくない。でも、ジャック―彼がその後どうしているのかだけは気にかかる。初めて会ったとき、私は九歳。彼はもう少しで十二歳だった。この地の児童施設での出会いは幸福なものではなかったけれど、彼はいつも支えとなってくれた…大人になって別れを告げるまで。ジャックは軍隊に入り、私は大学に進んだ。その彼も除隊後はここに帰っている。たぶん結婚し、妻を連れて。そうであったとしても、一目会って、彼の幸せを、せめて確かめたい。たとえ今の私が、父親を亡くした子供を宿す身であったとしても…。