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内容説明
“この町には帰ってきたくなかった…”。ちらちらと向けられる人々の視線。私―、レイチェル・ハサウェイの帰郷はみんなの一大関心事なのだ。十年前に、町の有力者の息子を殺害した容疑を受け、無罪放免となったものの、真犯人は見つからなかった。一度かけられた疑いはかえって深まるばかりで、十七歳のレイチェルは追われるようにして町を出た。けれども弟の突然の死の知らせに、戻ってこざるをえなかったのだ。あのハサウェイ家の娘が帰ってきた、と噂好きな連中は挨拶がわりにささやきあっている。葬儀の日、シンプルな黒い服を着て柩のそばにたたずむ彼女を、人々とは違った目で見つめる一人の男がいた。祖父と一緒に新聞を発行しているジャスティン・ホイーラーは、レイチェルの青白い顔を隠すサングラスを、自分の手ではずしてみたい衝動にかられていた。