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内容説明
「メリーベス、協力してくれるね?」。やっと聞きとれるような小声に顔をあげ、「ええ」と答えてから、一瞬のうちに相手を信頼してしまったことが自分でも不思議だった。ワシントン州北西部にある平和な田舎町クープビルの銀行が、白昼、銃を持った二人組の強盗に襲われ、運悪くその場に居合わせた看護婦のメリーベスは、行員や数人の客とともに人質となっていた。パニックに陥った人質のなかで一人だけ冷静な男性が、メリーベスの白衣についた名札を読みとって声をかけてきたのだ。精悍な顔と冷静な声に、多くの危険をくぐり抜けてきた自信を感じる。数時間後、隙を見て強盗に立ち向かった彼の行為で事件は解決した。その際、彼は強盗の一人に撃たれて頻死の重傷を負い、メリーベスが勤める病院にかつぎこまれる。エリック・スノー。牧場の経営者ということだが、メリーベスが看護の合間に話しかけても、自分のことを口にしたがらない。まるで世間から注目されるのを恐れているかのように…。