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内容説明
レイチェルのニッキーに対するこれまでの感情は、憐憫と、母親のような慈しみの情以外の何ものでもなかった。ロンドンのナイトクラブ歌手である25歳のレイチェルは、7歳も年下のニッキーがすっかり彼女に夢中だと知ってはいたが、孤独な少年の心を思うとむげにつきはなすこともできずにいた。ニッキーは石油王マーク・ハモンドの息子、億万長者の跡継ぎだ。だがニッキーの話によればその父親マークは、血も涙もない男、冷酷無慈悲な大実業家らしい。ある朝、そのマーク・ハモンドがレイチェルの前に現れて、言った。「息子から手を引くについては、いくら欲しいのか?」レイチェルは激怒した。
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