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内容説明
自分から便宜結婚を申し込んだ時には、彼を愛していることに、気づいていなかった。クレオは冷厳な独身貴族として有名な頭取ジュード・メスカルの個人秘書。溌刺と仕事に打ち込んでいた彼女が卑劣な恐喝の罠に落ちたのは、まったく突然のことだった。過去の恋人に呼び出され、すぐに大金を出さなければゴシップ紙に二人の関係を売ると言われた。両親を亡くしたクレオをただ一人気にかけてくれた叔父が、息子のごたごたを新聞にかき立てられ、心臓発作を起こしたばかり。これ以上そんな目に遭わせたら、今度は命にかかわる。クレオには父からの莫大な遺産があるが、二十五歳になるか、あるいは後見人が認めた相手と結婚しないと、相続できない。二十五歳になるのはまだ一年先。一晩中考えたクレオは意を決し、次の朝頭取室に入って、言った。「ミスター・メスカル…私と結婚していただけます?」。