内容説明
批判を恐れる大手マスコミに代わって事件報道を担ったのが『週刊文春』など雑誌ジャーナリズムだ。文藝春秋前社長がその舞台裏の人間ドラマを描く。
目次
プロローグ 地下鉄の惨劇
第1章 「オウムの狂気」に挑んだ六年
第2章 「がん治療革命」の先導者
第3章 「パイオニア」の意地と誇り
第4章 「宗教マフィア」への宣戦布告
第5章 「実名報道」陰の立役者
第6章 「少年A」の両親との二十二年
エピローグ 神戸の点と線
著者等紹介
松井清人[マツイキヨンド]
1950年、東京都生まれ。東京教育大学アメリカ文学科卒業。1974年、株式会社文藝春秋入社。『諸君!』『週刊文書』『文藝春秋』の編集長などを経て、文藝春秋社長。2018年退任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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R
41
文藝春秋と週刊文春でスクープされた記事のうち、特に魂を揺さぶる、大きな影響を与えた6つの出来事について語った本でした。内容は多岐に渡るものの、社会的に大きな意義のある宗教事件二つ、少年殺人について二つは重いテーマで考えさせられ、医療と野球を扱ったものは、その硬直した特有の世界に風穴をあけるパイオニアの生き方というものが描かれていて副題の通り勇気を貰う内容でした。いずれも昭和から平成にかけてで、当時幼くてわからなかったが、今読んで初めてわかることもあり、よい読書になった。2020/06/15
ma-bo
36
著者は文藝春秋元社長。オウム事件、神戸連続児童殺傷事件、阪神淡路大震災、統一協会合同結婚式問題、女子高生コンクリート詰め殺人事件の実名報道問題等を当時編集長の立場で体験された事を綴った物。 自分自身はその頃は神戸に住んでおり、阪神大震災は直接体験した(幸い比較的被害の少ない地区であったが)、また神戸児童殺傷事件の起こった町もよく知っている。大学生から社会人になる頃で、独り暮らしを始めたり私にとっても公私共に激動な時代だったな。 2019/11/10
ばんだねいっぺい
32
オウム、統一協会、少年A、多感な時期に起きたことばかり。野茂のメジャー挑戦もあり対談相手に江夏を指名したところにらしさを感じた。江川さんが坂本さんに責任を感じた理由やあの「絶歌」がもたらした悪影響を本書で知った。オウムのことは、先の大戦と同じでしっかり「反省」できているかなぁと不安になった。2019/09/15
サトシ@朝練ファイト
26
この本の統一教会のあたりまでは花田紀凱もまともだったのかなあ。週刊誌はエロとか嫌韓で売るんじゃなく、事件を追って政治家を追って部数を伸ばして欲しいと思う。2019/09/23
阿部義彦
17
図書館本。2019年。プレジデント社。元文藝春秋の社長が世紀末の日本を襲った事件とその裏側のジャーナリスト魂を刻み込んだドキュメントの様な読み物。スポーツは流し読み、それ以外では『患者よ!がんと闘うな』の著者近藤誠さんの勇気ある告発。同じ慶応大学の癌を切除する敏腕医師を『死神』呼ばわりしてまで、生活の質の向上を第一に考えて積極治療を否定。それを知ってクビにしない、慶応も懐が深いです。また、飯干景子、山崎浩子、等で有名な今でも幅を効かしてる統一教会での脱洗脳の駆け引き、他少年Aやオウム事件の色褪せない記録。2023/08/26
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