内容説明
住友銀行から「夕日ビール」と蔑まれたアサヒビールに乗り込んだ樋口。次々と業界のタブーに挑んだ伝説の男とは。作家生活40年、著者最後の企業小説。
著者等紹介
高杉良[タカスギリョウ]
1939年東京生まれ。専門誌記者や編集長を務める傍ら小説を書き、75年『虚構の城』でデビュー。83年、退職し作家に専念。緻密な取材に基づくリアリティに富む企業・経済小説を次々に発表する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Yunemo
35
著者最後の企業小説、との謳い文句に?それにしては‼、との想いに。樋口氏、確かにアサヒビールを再生させた男としての価値は大。ただ人物像の表現があまりにも賞賛し過ぎてるのでは。ネアカな性格が住友銀行内では、というより磯田氏に疎んじられた、そういう経緯をもってアサヒビールに来たはず。それだからこそ、この業界でのカリスマ的存在になった、これはよくよく理解できます。表現方法が上っ面だけに過ぎない感じがしてならないのです。人を惹きつける魅力がさほど感じられずに。過去の著作と比べても、何だかな。まだまだ次作への期待大。2017/03/11
James Hayashi
31
スーパードライでアサヒを復活させた中興の祖。これを読んでも樋口の経営理論や、いかにスーパードライの開発の陣頭指揮をとったのか分からない。元々銀行マンなので上がってきた議題にゴーサインを出したり、トップセールスで成功したのかもしれない。人使いは荒い。今の若い人ではついていけないであろう。彼の奥さんが言った苦くなく辛いビールという表現が一番しっくりきた。2019/08/10
犬こ
25
夕日ビールと揶揄されていたアサヒビールをスーパードライで朝日ビールへと再建した当時の経営者・樋口廣太郎に関する小説。アサヒビールは歴代、住友銀行からの出向社長が続き、工場設立にあれだけの大胆投資できたのも納得。政治絡みの話が多かったので、現場主義と唱えられていた分、スーパードライ開発部分をもう少し厚く知りたかったところ。2017/01/04
ももかさん
22
スーパードライで復活した印象はありましたが、銀行から社長を受け入れていた程、業績不振だったのは知りませんでした。樋口さんは相当パワフルな社長ですね~。こんなことも絡んでるとはやはり一流企業ですね。一発当てるとやはり凄いことになるんですね。茨城工場はいつかは見学したいと思います。2017/09/10
W-G
21
久し振りの高杉良。小学3年か4年くらいのスーパードライの品薄騒ぎは何となく覚えてます。最強の経営者というタイトルから、物凄く切れ者で行動力に溢れた人物を想像しましたが、実際は能力より強運こそが最強なんだなと変に納得。それほど洗練されたトップではない印象です。歴代社長のスローガンや十則等、シンプルでためになります。自分の仕事に当て嵌めて考えてみたり、高杉作品は仕事へのモチベーションアップに貢献度大です。2016/04/30