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内容説明
読むことでしか食べられない。「dancyu」の好評連載8年分、100本の書評エッセイ。
目次
『父の詫び状』向田邦子
『御馳走帖』内田百〓(けん)
『最後の晩餐』開高健
『妻恋いの宿』青山光二
『火宅の人』檀一雄
『はしれ!ショウガパンうさぎ』ランダル・ジャレル
『温かなお皿』江國香織
『寺田寅彦随筆集 第四巻』寺田寅彦
『カモイクッキング』鴨居羊子
『わが町』ソーントン・ワイルダー〔ほか〕
著者等紹介
堀江敏幸[ホリエトシユキ]
1964年生まれ、作家・仏文学者。早稲田大学教授。『おばらばん』(三島由紀夫賞)、『熊の敷石』(芥川賞)、『河岸忘日抄』(読売文学賞)、『なずな』(伊藤整文学賞)、『正弦曲線』(第61回読売文学賞)など著書多数
角田光代[カクタミツヨ]
1967年生まれ、作家。90年「幸福な遊戯」で海燕新人賞を受賞してデビュー。『まどろむ夜のUFO』(野間文芸新人賞)、『ぼくはきみのおにいさん』(坪田譲治文学賞)、『空中庭園』(婦人公論文芸賞)、『対岸の彼女』(直木賞)、『八日目の蝉』(中央公論文芸賞)、『ツリーハウス』(伊藤整文学賞)、『紙の月』(柴田錬三郎賞)、『かなたの子』(泉鏡花文学賞)、『私のなかの彼女』(河合隼雄物語賞)をはじめ、エッセイなどなど著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
162
danchyuに堀江さんと角田さんが交互に連載されていた書評を100回分まとめたものです。角田さんの「父の詫び状」から堀江さんの「赤目四十八瀧心中未遂」まで掲載されています。この書評のありがたいことは新刊ではなく、過去に出版されたものが中心となっていてしかも掲載雑誌の関連から食べ物がらみのものが結構入っていることです。読みたくなる本がまた増えます。2016/03/21
Ikutan
76
ページ数の割りに読むのに時間がかかりました。それもその筈、この一冊の中に、100冊の本がぎゅーっと詰まっています。『食』に着目して書かれた書評エッセイ。日常のエッセイから始まってさらっと本の紹介をされる堀江さん。理路整然とした文章で的確な分析、思わず唸ってしまう角田さん。お二人が交互に執筆されています。小説でしか得ることができない味の体験や余韻。読後に鮮やかな記憶を残す食の場面。やっぱり、想像力を駆り立てられる食の描写は魅力的ですね。レシピを読みものと捉えるというのもいいなぁ。もう、読みたい本がいっぱい!2015/12/14
めしいらず
74
堀江さんは食に対してとても淡白な印象だけれど、作品内の見過ごしがちな点への濃やかな目配りはさすが。一方の角田さんは、食と作品と自身の日常とが違和感なく且つ濃密に絡まり合い、その作品の魅力を際立たせる的確な引用と考察も相まって、いつもながらに見事。何より読みたくなるし食べたくなる所が素晴らしい。その非の打ち所のなさが逆に難と言いたくなる程に。「本来私たちは、病むためでなく健やかであるために食べるのだ、と。わかり合えないと知るためでなくわかり合えると思って他人とかかわるのと、まったくおんなじに」。いやはや!2016/04/18
のぶ
62
タイトルを見て何の本だかわからず、好奇心で購入した。和洋の文学作品から食の描写のある本を各50冊、計100冊を交代で1作品2ページのエッセイにして集めたもの。短い文章の中、本当によくまとめられているし、食べ物の話なのでエッセイ集として読むのも楽しいが、これは文学ガイドとして、紹介されている本を読んでみる、という使い方の本が絶対に良いと思う。中に二人の対談が挿入されていて作品のチョイスは自身でやったとある。選ぶまでにどれだけの本を読み、何という記憶力を持っているのか?!。この二人ただ者ではない!2015/12/06
AKIKO-WILL
60
角田さんと堀江さんのお二方が交互に50冊ずつ読食録と称する書評をする。100冊の中で自分が読んだ本は2.3冊しかなかったのでどの本も興味深かったです。2人の対談も面白いし!角田さんの太宰治の小説に出てくる料理はどれも不味そうに感じると読み、ちょっと読んでみたくなりました。鴨居羊子さんと武田百合子さんの本は読んでみたいな。お二方の紹介する本も重ならないほど色んな作家の作品が出てくるのでこの100冊読めば、また知識がグーンと広がりそう。2016/02/21