出版社内容情報
本書は、「未来の祖先として今日をどう生きるか」という問いを起点に、サステナビリティをめぐる新たな視点と創造的な実践を探索することを目的としたリサーチ成果を、ソニーグループ株式会社のデザイン部門であるクリエイティブセンターが『WIRED』日本版とともにまとめたものです。
クリエイティブセンターでは、メガトレンドリサーチの一環として、サステナビリティに関するリサーチをここ数年継続してきました。そのなかでたびたび、「長期的な視点」と「日々の実践」をどう結びつけるかという問いに直面してきました。
気候危機や分断が進む時代において、未来を遠くに夢見るのではなく、いまの行動を未来から見つめ直す──そんな視点を「Future Ancestor (未来の祖先)」というコンセプトに込めました。
今回はブライアン・イーノ氏、養老孟司氏、Atelier LUMA、Marshmallow Laser Feast、Superflux、Moment Factory、KPOP4PLANETらにインタビューを行い、北米、欧州、東南アジア、中国、日本にてリサーチを実施しました。
リサーチを通じて見えてきたのは、
人間以外の知性に耳を澄ませる感性
(=「Whispers of the Invisible/見えないもののささやき」)、テクノロジーと物語が交差する新たな伝承
(=「Techno-logical Folklore/民間伝承のアップデート」)、そして共感を力に変えるファンダム・カルチャーの可能性
(=「#Fandom Earth/推しパワーの活用」)です。昨年発刊した『SIGNALS Creative Research No.01』では、そのリサーチ内容を初めて一般公開し、多くの反響をいただきました。トランスメディア・エンタテインメントに着目したNo.01に続き、No.02ではサステナビリティにフォーカスし、気候危機と分断の時代においてデザインやクリエイティブが果たすべき役割について考察します。
【目次】
【Index】
Introducing SIGNALS
Identity_『SIGNALS』発刊の背景
Process_『SIGNALS』ができるまで
Field Research_5地域で探し当てた「兆し(シグナル)」
A Long-Term Optimist
世界に溢れるクリエイティブの力がよりよい未来を築く
ブライアン・イーノ×石井 大輔
Feature
How to Act Today as a Future Ancestor
「サステナビリティ×クリエイティブ」の未来
Overview
Think Like an Ancestor
よき「未来の祖先」となるための3つの道
Part 1
Whispers of the Invisible
見えないもののささやき
Overview
0.01%の存在としての責任
Interview
養老 孟司(解剖学者/東京大学名誉教授)
Marshmallow Laser Feast(アートコレクティブ)
リナ・ゴットメ(建築家)
Case Study
Superflux/Terreform ONE/Root for Nature/Inxects/Jiayu Liu "Still Garden #2"/Atelier LUMA/s.ap arkitektar/Sara Martinsen/Future Observatory/MIRU AMAMI/Mahanakhon Oasis "Digital Art Zoo"/Scarce City
Column
North America |
地球の知性を受け入れる多種共存の未来へ
Simon Henning
Southeast Asia |
アジアに根付く文化と持続可能な未来
Dave Lim
Part 2
Techno-logical Folklore
民間伝承のアップデート
Overview
人の創造力も自然の影響を受ける
Interview
メリッサ・ワイゲル(Moment Factoryクリエイティブディレクター)
田中



