内容説明
これから世界に何が起きるのか?数々の予見で注目のエコノミストが語る、中長期的に日本の黄金時代が訪れる理由。
目次
プロローグ 世界経済の未来を「ストーリー」で読む
1 2つの大国が抱える苦悩(習近平の訪米が意味すること;独裁国家に戻る中国;ゼロコロナ政策の失敗と不良債権問題 ほか)
2 世界の地政学リスクを読み解く(地政学リスクを読み解くには歴史宗教学的観点が必要;米国と中東3カ国の根深い遺恨;米国のアキレス腱「イスラエル」 ほか)
3 新冷戦の中で日本が生き残るための活路を考える(「戦争」は意外と身近なところにある;日本が抱える地政学上のリスクとチャンス;ヒト、モノ、カネが流入する日本 ほか)
著者等紹介
ユルマズ,エミン[ユルマズ,エミン] [Yurumazu,Emin]
エコノミスト、グローバルストラテジスト。トルコ・イスタンブール出身。16歳で国際生物学オリンピックの世界チャンピオンに。1997年に日本に留学。1年後に東京大学理科一類に合格、その後、同大学大学院で生命工学修士を取得。2006年、野村證券に入社し、投資銀行部門、機関投資家営業部門に携わったあと、「複眼経済塾」の取締役・塾頭を経て、現在各種メディアとSNSで情報発信中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ehirano1
86
世界経済は投資と地政学で動いていて、それには『あるサイクル』が存在する、という内容だと思いました。恐ろしいのはそのサイクルには「盛者必衰の断りをあらはす」が含まれていて回避不可能ということ。2024/12/16
よしたけ
46
世界経済・地政学を俯瞰分析。興味深かった記述:中国は十分に豊かになる前に高齢化始まり未来は暗い、中国はインフラ過剰投資のため将来的には莫大な維持コストが負担になる、中国がサプライチェーンから除外されれば生産コストが跳ね上がり世界経済を圧迫する、不動産は様々な二次産業と繋がり深く米中の不動産低迷は深刻、米中新冷戦下ではフィリピンへの米投資・メキシコを利用した迂回貿易が期待される、税収増の見返りとして非課税世帯へ還付するのは論理おかしい。結びとしてトルコ人著者は日本の人的資源を高く評価しており、未来を楽観視。2025/01/05
たらお
26
大局観をもてる本。米中新冷戦。中国不動産大手の経営破産による負債は日本円ベースで48兆円。不良債権処理により中国は長期の低迷期に入る。中国発端の有事があることを見越すと、台湾の半導体メーカーが日本に工場を作ることにも納得。日本で注意すべきはインフレ。市民はインフレを感じてきており、日銀はインフレをコントロールすべく金利を上げてきている。資産防衛のための株式投資が日本にも広がってくるのか?インド・モディ首相によるヒンドゥー・ナショナリズムには注意。AI化は人口減の日本に有利に働く。2025/03/09
takehiro
18
投資本というよりも世界情勢の本。日本近辺のリスクでは台湾有事をよく見かけますが、中露国境問題は本書で初めて知りました。2024/07/15
tamako
17
今の世界の経済動向を端的に可視化してくれる貴重な人材、エミンさん。日本語で日本推ししていただけるありがたさを割り引いても、鋭い論考だと思う。大国に翻弄されて紛争の舞台になる地域を本当に気の毒にも思う。日本にはそういうことに巻き込まれにくい幸運もある。2025/02/22