出版社内容情報
私は、本書を通じて、ある希望にみちた仮説をみなさんと共有したいと思っています。
その仮説とは、
社会運動・社会批判としての側面を強く持つビジネス=クリティカル・ビジネスという新しいパラダイムの勃興によって、経済・社会・環境のトリレンマを解決するというものです。
私は2020年に著した『ビジネスの未来』において、安全・快適・便利な社会をつくるという目的に関して、すでにビジネスは歴史的役割を終えているのではないか?という問いを立てました。原始の時代以来、人類の宿願であった「明日を生きるための基本的な物質的条件の充足」という願いが十全に叶えられた現在、私たちはビジネスという営みに対して社会的意義を見出せなくなりつつあります。
この問いに対する前著での私の回答は「条件付きのイエス」というものでしたが、その 後も、営利企業あるいはビジネスの社会的存在意義に関する議論が沈静化する兆しはなく、 世界経済フォーラムをはじめとした会議の場においても、この論点は主要なアジェンダで あり続けています。
ここ数年、世界中で盛り上がりを見せている「パーパス」に関する議論も、この「この ビジネスに社会的意義はあるのか?」という、素朴だけれども本質的な質問に対して応え ることのできなかった人々が引き起こした一種のパニック反応だと考えることもできるで しょう。
私は、本書を通じて、このウンザリさせられる問いに対して、ある仮説としての回答を 提唱したいと思います。それが前述した命題、すなわち「社会運動・社会批判としての側 面を強く持つビジネス=クリティカル・ビジネスという新たなパラダイムの勃興によって それは可能だ」という回答です。
内容説明
アップル/テスラ/IKEA/パタゴニア/フェアフォン…少数派による反抗が社会を変革するビジネスを生み出している。いま、世界で勃興しつつある新しいパラダイム。
目次
第1章 クリティカル・ビジネス・パラダイムとは?
第2章 クリティカル・ビジネスを取り巻くステークホルダー
第3章 反抗という社会資源
第4章 クリティカル・ビジネス・パラダイムの背景
第5章 社会を変革したクリティカル・ビジネスの実践例と多様性
第6章 アクティヴィストのための10の弾丸
第7章 今後のチャレンジ
著者等紹介
山口周[ヤマグチシュウ]
1970年東京都生まれ。独立研究者、著作家、パブリックスピーカー。ライプニッツ代表。慶應義塾大学文学部哲学科、同大学院文学研究科美学美術史学専攻修士課程修了。電通、ボストンコンサルティンググループ等で戦略策定、文化政策、組織開発などに従事。『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?(光文社新書)』でビジネス書大賞2018準大賞、HRアワード2018最優秀賞(書籍部門)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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