内容説明
岡田屋呉服店という家業を、ジャスコという企業へ、さらにはイオングループへと発展させた陰の功労者・小嶋千鶴子。岡田卓也の実姉として数々の合併を成功・発展させた。その手腕を称して、人々は彼女を人事・組織専門経営のレジェンドと呼ぶ―社員だけが読める「幻の書」を解説、初の書籍化。
目次
第1章 小嶋千鶴子を形成したもの―その生い立ちと試練
第2章 善く生きるということ―小嶋千鶴子の人生哲学
第3章 トップと幹部に求め続けたもの―小嶋千鶴子の経営哲学
第4章 人が組織をつくる―小嶋千鶴子の人事哲学
第5章 自立・自律して生きるための処方箋
終章 いま、なぜ「小嶋千鶴子」なのか?
著者等紹介
東海友和[トウカイトモカズ]
三重県生まれ。岡田屋(現イオン株式会社)にて人事教育を中心に総務・営業・店舗開発・新規事業・経営監査などを経て、創業者小嶋千鶴子氏の私設美術館の設立にかかわる。美術館の運営責任者として数々の企画展をプロデュース、後に公益財団法人岡田文化財団の事務局長を務める。その後独立して現在、株式会社東和コンサルティングの代表取締役、公益法人・一般企業のマネジメントと人と組織を中心にコンサル活動をしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
77
先の大戦が否応なしに齎した環境で育んだ「胆力」。辿り着いた哲学が、「ヒト」という感。戦後の混乱期に、岡田屋の商品券をお客様に現金で返却する一方、過去に闇市に関与した元社員の復職は認めない厳しい姿勢。心底に一貫性。”二度”の女史の引き際も、その言動に整合性。戦後の混乱や人事を担当していたことを考えると、奇麗ごとばかりではなかったはずと推察。本著は評伝なので、あくまで善人説で考えると、一切合切を含んだ整合性と解釈。原理主義者と言われる克也氏。血筋かな。2019/03/25
もちもちかめ
35
買って良かった。この本読むと今のマックスバリュのていたらくは何なのと思った。子会社は関係にゃーすかねー?岡田屋さん?しかし勇気が出る本。正しいことを正しいと自信を持って胸を張って言ってきたひと。この生き方は確かにまねできないけど、確かに伝わったこの勇気。正しいと言うだけでなくて人もちゃんと見た。虚構性の高い人はゴミ箱に入れること、それが人事の仕事。虚構性の高いとは、仕事が出来るけど、上には良いことしか報告しない、失敗は何でも他人のせいの、おべんちゃら言う取り巻きになる人。2019/03/22
Kentaro
34
四日市の岡田屋をジャスコへ、ジャスコをイオングループへと育て上げる基礎を築いたのが、岡田卓也イオン名誉会長の姉・小嶋千鶴子である。家業を企業へ、企業からさらに産業へと発展させた類まれなる経営手腕。加えて、その過程で行った数々の合併、それを成功させるに至った彼女を、人々は“人事・組織専門経営者のレジェンド”とさえ呼ぶ。「問題あらへんか?」。小嶋が店巡回や従業員と会ったとき、この言葉かけで、仕事で困っていること、お客様からの苦情、商品の品切れ、上司・部下の問題、私的なことでも何か問題を抱えていないか聞き出した2018/12/14
ぶるーめん
27
多分一緒に仕事をしていたらやってなれない厳しい人なのだろうけれど、小嶋千鶴子さんのエピソードの数々は納得できることが多い。イオンといえば岡田姓のイメージで、小嶋千鶴子(もともと岡田家の人ですか)さんはこの本についてのネットニュースで初めて知った。本屋だったら手に取らない本だと思うので、この本に出会わせてもらい感謝。どうしても仕事の垢にまみれてしまうといろいろと忘れかけるが、仕事に対する姿勢を叱られている気分で読んだ。仕事に対する使命感を改めて考えされられた良書。エピソードと紐付いた著者の説明もよい。2018/11/09
まる子
24
父の岡田屋呉服店を現在のイオングループまでに成長させた小嶋千鶴子(旧姓・岡田)の経営は、とにかく教育する、不正はゆるさず、先を見据え、従業員は給与をもらうプロとして育てる事。人間の可能性は無限である。人は慣れるとなぁなぁになる、確かに。自分を甘やかしてしまうからだろうな。小嶋千鶴子が優れているのだけれど、考え方やものの見方は彼女の才能でもあるだろう。何度か再読しないと読み終えた時の学びを忘れてしまいそう。北海道の西友は北海道イオンに売却し、9月末で道内の西友がなくなったタイミングで読めた。2024/10/03