内容説明
するどく時代を切り取る芥川賞作家が綴る、ありふれた日々の暮らしにスパイスを振りかける珠玉のエッセイ69選。
目次
1章 披露宴2次会、新婦がひとりスマホに見入る。(披露宴2次会、新婦がひとりスマホに見入る。;リアルに愛想笑いして、ネットで本音をぶちまける小心。 ほか)
2章 マドリードでもバンコクでも東京でも、同じシャツを着ているって、世界中どうかしている。(マドリードでもバンコクでも東京でも、同じシャツを着ているって、世界中どうかしている。;今朝、袖を通したジャケットは、見えない場所から脱兎のごとくやってきた。 ほか)
3章 公衆電話ってなんですか、と二十歳の女子が真顔できく。(公衆電話ってなんですか、と二十歳の女子が真顔できく。;電子手帳にはスケジュールがあるが、手書きの手帳には物語がある。 ほか)
4章 昼下がりの駅からのどかさがなくなり、傘を素振りするゴルフおやじも消えたこの頃。(昼下がりの駅からのどかさがなくなり、傘を素振りするゴルフおやじも消えたこの頃。;もう一度、むせかえる花の匂いに狂いたい中年男の「生き直し」。 ほか)
5章 人混みが嫌いだといいつつ、群れのなかに加わる安心感。(人混みが嫌いだといいつつ、群れのなかに加わる安心感。;夕暮れ、赤いバラは黒ずみ、木々の緑は踊りだす。 ほか)
著者等紹介
藤原智美[フジワラトモミ]
1955年、福岡市生まれ。フリーランスのライターを経て、90年に『王を撃て』で小説家としてデビュー。『運転士』で第107回芥川賞受賞。小説創作とともに『暴走老人!』『スマホ断食』などのノンフィクションを発表し、新聞・雑誌でのエッセー連載を行うなど、幅広く活躍する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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