内容説明
『ビッグコミック』を創刊した小学館の第二編集部は、かつては行き場のない編集者が集まる“吹き溜まり”と社内で揶揄されていた。小西湧之助は吹き溜まりを水の澱んだ沼になぞらえ、自分たちを泥底に棲む夜行性の小ナマズにたとえ、“でも、いつか世の中を揺り動かす大ナマズになってやる”と誓った。その思いが『ビッグコミック』を生み、ビッグコミック・ファミリーを形成し、そして人気情報誌を次々に生み出していく原動力になるのである。これはナマズたちの意地の物語である。
目次
第1章 ビッグな5大作家
第2章 編集部誕生
第3章 直木賞を狙える作品を
第4章 創刊号発売
第5章 「だから表紙に使おうと決めた」
第6章 小西学校
第7章 青年コミック誌の戦国史
第8章 『ビッグコミック』が成功した4つの理由
第9章 『ゴルゴ13』幻の最終回
エピローグ―コミックに次ぐ柱
著者等紹介
滝田誠一郎[タキタセイイチロウ]
ノンフィクション作家/ジャーナリスト。1955年東京生まれ。青山学院大学法学部卒。ノンフィクション作家として各界各分野の人物を主人公にしたヒューマン・ドキュメンタリー作品を執筆。その一方でジャーナリストとして雇用問題、人事問題をテーマにした取材・執筆活動を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
10
漫画に限らず、雑誌とは、編集長の明確なヴィジョンと強い意志が生み、育てていくものなのだということが、本書を読むと理解できる。「ビッグコミック」の場合、小西湧之助という個性的な編集者がいたからこそ創刊でき、そしてヒットし、それを維持することができたのだ。大人の鑑賞に耐えられる文芸的漫画雑誌を目標に、その小西のヴィジョンに賛同した、手塚、さいとう、石森、水木、白土というビッグネームが顔を揃える。(つづく)2012/08/29
tegege
2
異能の編集者、小西のルポともいえる。大人向けマンガ雑誌が試行錯誤や読者の受け皿目的でなく、先鋭的な視点で生まれたとよくわかった。PAL系雑誌も同じ編集長によるものとは知らなかった。すごい。2011/05/22
etoman
2
ビッグコミック自体を愛読したことは無いのだが、一時代を築いている雑誌の創刊当時の勢いや熱気というものを面白く読んだ。マンガ家さん達の四方山話、裏方話が非常に面白い。2009/04/02
みい⇔みさまる@この世の悪であれ
2
○…創刊当時の作家、豪華すぎです…2009/03/13
らいおん親方
1
小学館系の編集の話は初かな?面白かった。2009/02/10
-
- 和書
- 遍路笠 - 歌集