内容説明
作家・遠藤周作が、情熱を傾けて提唱した「心あたたかな病院づくり」「患者中心の医療」その意味の重さを、いま、改めて問い直す。
目次
第1章 遠藤周作と医療
第2章 わたしの歩いてきた道
第3章 心あたたかな病院づくり
第4章 これからの医療を考える
第5章 遠藤夫人と語る―患者として医者として
講演 「患者だった経験から」―遠藤周作
著者等紹介
吉田豊[ヨシダユタカ]
医学博士。弘前大学名誉教授。日本内科学会名誉会員。1930年青森県藤崎町生まれ。55年コーネル・カレッジ(米国)生物科卒業。57年弘前大学医学部卒業。61年メイヨ・クリニック大学院医学修士課程(内科)を修了。75年に弘前大学第一内科教授。同大学医学部長を経て、96年から2002年まで弘前大学長を務め退官。現在、学校法人東奥義塾理事長、青森県総合健診センター理事長
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感想・レビュー
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ワッツ
4
遠藤の晩年付き合いのあった医者が語る遠藤の思い出。遠藤の人生の大きな柱の一つであった「心あたたかな医療」について、全般的に語られる。何せ著者は医者だから。著者の医学の道も語られているが、如何に遠藤の思いがどんどん結実していっているのか目を見張るものがある。生涯唯一自分が持ち込んだ原稿(読売新聞)というのがこれである。これはお手伝いさんの死が発端であったが、遠周の大きな優しさを感じる。巻末には、著者と遠藤夫人の順子さんとの対談がある。さらに遠藤が心あたたかな医療について講演した内容を収録されている。2017/03/27