内容説明
一九九一年から二〇〇二年までの三〇〇首を、製作年に関わらず再構成しておさめた著者の第一歌集。
目次
フラグメンツ
本日ハ晴天ナリ
光のようなもの
ファースト・スター・オブ・イヴニング
逃亡者たち
さくらしべふる
グライダー
難易度A(今夜、葡萄を食べないか)
ほんとうの空
幻の光〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
不在証明
12
「どんな遠くへ逃げてみたところであなたもわたしもこの星にいる」見たままありのままの描写の、こういうストレートな歌が多いけど、たとえば「蝶の背のピンを抜いてももう二度と飛ばないことはわかってるのに」など、率直な分やりきれなさが強調されているようなものもあって、そういうのが好みだと感じた。「たましいがあこがれやまぬ場所なんて地上にあるのだろうか雲よ」「シロップはお使いですか?マドラーは?口に運んでさしあげますか?」「青空のどこか壊れているらしく今日三度目の虹をくぐれり」2016/05/04
双海(ふたみ)
9
一九九一年から二〇〇二年までの三〇〇首を、製作年に関わらず再構成しておさめた著者の第一歌集。「たましいを半分ぐらい切り取ってきみにあげたい 果実のように」「熱くても溶けない脳のかたすみに咲いて散る花 色は言えない」「かなかなの声の止みたる一瞬に愛を語りて二度とは告げず」「ヘッドホン外した時の静寂にどこか似ている恋の終わりは」2023/07/21
Junko Murakami
3
「天井のひらたい光幸せになれそうだけどいつもそこまで」という短歌を誰かの日記で読んで、ずっと焦がれてた歌人さん。 詩には相性があって、合わない詩は読んでも白けてしまうと思うのですが、この人の作品は私と肌の相性が良い(笑)すごく好き。
ハル
2
ぐっと刺さる言葉に出会えると凄く嬉しくなる。 今回の詩集も好きな言葉がたくさんあって、特に79ページの3つの詩の流れがとても好き。 愛しいという気持ちをくれる素敵な詩集でした2024/06/12
shusoso
2
そりゃぁ300首もあれば、いくつか好きな歌もあったけど、基本的に僕にはまだ早かったと思う。もうすこしたったらもう一度読みたい。よくわからないものも多かったけど、丁寧な本だと感じた。2012/07/28