内容説明
サウナ室にはコミュニティがあった。新型コロナ禍では、人々が集まることが激減した。しかし、ある地方都市では、愉快な現代版「井戸端会議」が意外なところで開かれていた。“本格派”社会学者による新しい都市社会学。
目次
序章 水場のアフォーダンス
第1章 ソシアビリテと社会学(ソシアビリテとは何か;プレ大衆社会におけるソシアビリテ ほか)
第2章 マダムとオヤジの会話(陰口;バスの座席 ほか)
終章 危機に生きるソシアビリテ(行為論(方法論的個人主義)
相互作用論(方法論的関係主義) ほか)
付論 新型コロナ禍と社会学理論
著者等紹介
早川洋行[ハヤカワヒロユキ]
1960年、静岡県生まれ。1984年、横浜市立大学文理学部文科卒業。1991年、中央大学大学院文学研究科社会学専攻満期退学後、滋賀大学教育学部講師、助教授、教授を経て、名古屋学院大学現代社会学部教授、滋賀大学名誉教授。論文提出によって、2001年、博士(社会学)・名古屋大学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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skunk_c
59
著者のFBでサウナ室の会話のいくつかを読んでいたが、それを社会学的な研究対象として書籍化したものを読んだ。メインのサウナ室の対話、著者は「空気」(実際はしっかり存在は認知されていたことがそこここから読み取れるが)として話を聴き(もちろんメモなど取っていない)、それを関西系の言葉のやりとりそのままに書く。思わずクスリとする話も多く、スポーツジムのアフターサロンであるサウナ室という、自分とは無縁な空間で繰り広げられる会話を楽しむことができた。こうした観察ができるのも、やはりプロの社会学者ならではなのだろう。2023/12/26