内容説明
豊かで奥深く、幅広い“焼き物世界”に地理学の視点からアプローチする。古代から現代まで、人々のくらしの中で絶えることなくつくられてきた焼き物。その歴史的時間の長さと地理的空間の広さ、文化的な多様さが“焼き物世界”の奥深さをつくりあげている。
目次
焼き物世界への地理学からのアプローチ
焼き物の原料粘土・陶石の地理的分布
焼き物が生まれる窯の歴史的発展過程
瀬戸・美濃における焼き物生産の展開
肥前における焼き物生産の歴史と藩の統制
中国・朝鮮・東南アジアにおける窯業生産
ヨーロッパにおける窯業生産の歴史
焼き物・陶磁器の海外輸出と国内流通
焼き物を包み込む文化とその広がり
焼き物の社会性と販売促進の取り組み
焼き物をめぐる内なる空間と都市空間
廃棄陶磁器の再資源化とリサイクル食器
著者等紹介
林上[ハヤシノボル]
1947年岐阜県生まれ。名古屋大学大学院文学研究科史学地理学専攻、博士課程修了、文学博士。名古屋大学名誉教授、中部大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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イツシノコヲリ
1
人文地理学者が焼き物について様々な視点から述べている。日本国内では、瀬戸・美濃焼と有田焼・伊万里焼を中心に扱い、海外では焼き物の起源である中国や日本に大きな影響をもたらした朝鮮のみならず、東南アジアやヨーロッパについても書かれていた。焼き物のあらゆる豆知識がのっていそうな書籍だが、図版が少ないのもあって窯の変遷はあまり理解できなかった。なかなか読むのに労力がかかったので、最後の方未読で積んでいる。2023/01/14
中村蓮
0
一部工業地理学からの説明はありましたが、大部分は地理的というより歴史的、あるいは社会学的論考でした。2024/11/28