内容説明
日本の学生服をヒントに孫文が考案し革命を象徴する服装として広まった中山服。意匠に込められた思想と、その変遷を服飾からたどった異色の中国近現代史。
目次
第1章 中山服の誕生―日本との関わりを中心に(「中山服」と「紅幇」;孫文と中山服の誕生)
第2章 中山服の研究―製図の分析を中心に(中山服の製図;中山服誕生に関わったとされる衣服の製図とデザインの分析 ほか)
第3章 民国期における男子の服装―中山服と長袍を中心に(1912年~1949年)(長袍;民国期の服飾制度―男子服を中心に ほか)
第4章 中華人民共和国誕生後の中国の服飾社会―文化大革命終結までの男子服装について(1949~1976)(1949年~1976年までの長袍と中山服の変遷;様々な中山服様式服装と「奇装異服」について ほか)
著者等紹介
乗松佳代子[ノリマツカヨコ]
静岡県生まれ。愛知県立大学大学院国際文化研究科博士課程満期退学。同大学院客員共同研究員(4年間)。服飾デザイナー兼パタンナー。毎日文化センター講師を2020年1月まで30年間勤務。日進市国際交流協会会長を8年間歴任。現在、同協会名誉会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Ohta "Landsman" Tohkan
3
服飾や中国近現代史に素人の方でも、歴史の教科書に載っている毛沢東は見たことあるだろう。本書はその毛沢東が着ている服、人民服の元となった中山服を巡る服飾史の本である。中国における洋服仕立ての黎明期から、文革期に至るまで、清朝や中華民国、その後の中華人民共和国ではどのような服がフォーマルで、どのような服がインフォーマルだったのか、その中で中山服はどのように生まれ、フォーマルなものとして受容されていったのかを、型紙の検証も交えて紐解いていく。おススメ。2024/09/06