内容説明
戦後思潮に対峙しながら論壇から消え去った大池文雄の論考・回顧・資料を集大成。ハンガリー事件前後の日本共産党内論争文書から『批評』を経て『論争』に至る思索をここに新編集した。梅本克己の一番弟子と謳われ、若き粕谷一希も私淑した孤高の知識人が再びよみがえる。
目次
第1部 党内闘争の時代(蟹はおのれの甲に似せて;志田同志の「党団結のさしあたっての問題」について ほか)
第2部 ハンガリー事件をめぐる論争(ハンガリー事件に関する『アカハタ』への投稿;国際主義の再検討のために―ハンガリー問題と共産主義 ほか)
第3部 『批評』時代(発刊のことば;プロレタリア独裁と国家の死滅―『人民日報』批判 ほか)
第4部 『論争』時代(戦後転向論―人間の価値基準の回復のために;『論争』創刊号編集後記 ほか)
第5部 回想と資料(ソヴェト映画『ベルリン陥落』について その思想性と芸術性;一九五一年の一二月―宮本百合子死後一年の頃をふりかえって ほか)
著者等紹介
大池文雄[オオイケフミオ]
1928(昭3)年11月6日、長野県小諸市に生まれる。陸軍少年航空通信学校から同電波兵器学校で敗戦。1947(昭和22)年、旧制水戸高等学校文科甲類入学。同校中退後、日本共産党水戸市委員長、同国際派全国委員会委員、茨城県常任委員を歴任。1956(昭和31)年、ハンガリー事件をめぐり中央と対立、『批評』誌に依拠して理論闘争。1958(昭和32)年、共産党を除名。のちに論争社では伝説的編集長として采配を揮う。日本ソノサービスセンター、太陽グリーンランドを設立。2013(平成25)年11月1日逝去
小島亮[コジマリョウ]
中部大学人文学部教授、総合学術誌『アリーナ』編集長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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